ボルドーワインのシャトー(醸造所)を中国人投資家買収加速

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突然だが想像してみてほしい。
ワインの魅力にひかれた中国人、その勢いはどこまで続くのか。

フランスの南西部に位置する高級ワイン産地、ボルドーのシャトー(醸造所)の中国人による買収が進んでいます。ボルドーワインの世界的な名声と、ワインを求める中国市場が合致したものととらえられています。

現在、ボルドーには7000を超えるシャトーが存在し、そのうち100か所超を中国人実業家が保有しています。中国人実業家らは宝石業や観光業で築き上げた財産の新たな投資先として、シャトーへの投資を進めているとみられています。

地元の大手不動産業者「マックスウェル・ストーリー・ベインズ」の担当者によると「最大の買い手は中国人とフランス人だ。それぞれ市場の3分の1程度を占めている」と話しています。

中国人投資家の多くは過剰な投資を避け慎重な投資を行っていますが、フランスのワイン業界団体は新たな資金の流入を歓迎しています。

ボルドーワイン委員会(CIVB)のベルナール・ファルジュ(Bernard Farges)会長は「中国人による投資は心強い。ワイナリー買収によって、ボルドーワインのブランド力が高まるし、シャトーの不動産価値も上がる」と語っています。

中国人によるボルドーのシャトー所有率は現在のところ、1.5%程度です。しかし、中国人が積極的な投資を行い始めたのはわずか6年前のことで、この3年間で考えると毎年24か所を超えるシャトーを競い合うように購入しているといわれています。

海運とテーマパークで財産を築き、純資産8億ドル(約950億円)といわれる実業家・曲乃傑(Qu Naijie)氏は、ボルドーのシャトーの30軒近くを所有する中国人実業家の代表格といえるでしょう。

仏ボルドー、中国人投資家ワイナリー買収加速 低価格など新風も
http://www.afpbb.com/articles/-/3043351

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中国人実業家によるワイン生産の変革

赤ワインの消費量が世界一の中国は、ボルドーワインの最大輸出市場でもあり、2014年は約6000万本が中国向けに出荷されています。

記録的な売り上げに伴い、ボルドーのワイン業界は拡大を続け利益を上げてきましたが、2014年には大幅に落ち込んでしまいます。

減益となった要因として、まず中国への出荷そのものが不安定になったことが挙げられます。中国の不安定な経済成長や、中国当局によるぜいたく品の規制が大きな影響となったことは否めません。

また、オーストラリアや南アフリカ、チリ、アメリカなどフランス以外のワイン生産国との競争が激しくなり、ワイン購入者がボルドー以外にも選択肢をもちはじめたことも要因として考えられています。

ボルドーワイン業界の利益が縮小していく中、新しくシャトーの所有者となった中国人は、これまで小規模・家族経営を行ってきたシャトーに、産業効率と規模の経済を導入しようとしています。

中国人オーナーが取得しているシャトーの多くは、「グラン・クリュ」と呼ばれる高級ワインの格付けではなく、比較的低価格なワインを生産しており知名度も低いものばかりです。しかし、どのワインも正真正銘のボルドー産であることを示すフランス政府基準の「ボルドーAOC(原産地呼称統制)」の格付けを得ており、世界的に多くのワインが生産される中、「ボルドー産」の評価は依然として高いままです。

中国人投資家らは複数のシャトーを共同で購入することもあり、1か所当たり500万~1500万ユーロ(約6億5000万~19億5000万円)で購入し、伝統的な生産方法を廃止し、輸出向けの大量生産を前提とした技術を導入しています。

ボルドーの人々らは、中国人がもたらす変化に戸惑いを見せているのかもしれません。しかし、ボルドー・グラン・ヴァン連盟(Federation of Grands Vins of Bordeaux)のローラン・ガペンヌ代表は「ボルドーは何世紀にもわたって、外国人投資家と共に作り上げられてきた。イギリス人に始まり、オランダ人、ベルギー人、日本人と続き、今は中国人だ。中国人がワイン生産に興味を持っていることを皆、非常に喜んでいる。ボルドーが他よりも優れた存在であり続けていることを証明している」と語っています。

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