鉄に陶器、ガラスや木炭の風鈴が奏でる音色の違い

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突然だが想像してみてほしい。
風に吹かれて鳴る音で涼しさを取る風情のある夏。

夏というと海に花火に蚊取り線香、そして風鈴の涼やかな音を思い浮かべます。夏の風物詩ともいえる風鈴の音色は一般的に「涼しげな音」と表現され、明治半ばに多く見られた風鈴売りでは、売り子が声を出すよりも風鈴の音そのものが何よりの宣伝になっていたといいます。

風鈴の音は秋を知らせる鈴虫などの虫の声とも似ており、冷房のなかった時代に湿気が多く蒸し暑い日本の夏を上手にやり過ごすため、日本人は風鈴の音を聞くことで涼しい気分を感じてきました。

現代では密集した住宅地、マンションにおける風鈴の音は決して涼やかなものではなく、生活騒音に分類されることもありますが、エアコンによる冷房にはない風情ある涼の取り方もたまには良いのではないでしょうか。

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各地の風鈴

風鈴は日本各地で金属やガラス、陶器、木、木炭など様々な材質で作られており、材質により異なる風鈴の音の違いを楽しんでみるのも一興です。

風鈴の内部には「舌(ぜつ)」と呼ばれる部分があり、舌に紐を吊り、紐の先に短冊などを取り付けて風を受けるようにしています。風に揺られた短冊が舌を揺らし、舌が風鈴の外側にあたることで音が鳴っています。

また、風鈴の外側と舌には同じ素材を使わないとどちらかが壊れてしまうため、同じ素材で作られています。

岩手県の伝統工芸である「南部鉄器」でできた「南部風鈴」が鉄製の風鈴として知られ、鉄製の風鈴は「リーン」と長い音が響くのが特徴です。また、佐賀県の「有田焼」でできた陶磁器の風鈴も高く良い音が響きます。

同じ焼き物でも愛知県の「常滑焼」では音色は有田焼と比べ少し鈍い感じの音になるといい、鉄製の風鈴である大分の「別府竹風鈴」は周囲が竹細工で覆われているため、南部鉄器の風鈴よりも少し優しい音色になります。

変わった風鈴としては和歌山県の備長炭で作られた「炭の風鈴」です。すべて炭で作られているために真っ黒で、棒状の炭がいくつもつながっており、風でぶつかることで音を鳴らすめずらしい風鈴です。

現在よく見られるガラス製のものは東京の「江戸風鈴」が有名で、切り口の部分をわざとギザギザのままにしてあります。滑らかにすると音が鳴りにくいためで、「チリンチリン」と乾いた音が独特です。さらに、ガラスの内側には様々な模様や絵が描かれており、見た目にも涼しいのが特徴です。

他にも、北海道の「ぎやまん風鈴」は少し厚めのガラスで作られた風鈴で、舌の部分が蛍光色になっており夜になるとまるで蛍がいるかのように光ります。

風鈴がなっていれば、それが鉄器なのか陶器なのか、それともガラスなのかをゆっくり聞いて調べてみるのも楽しいとは思いませんか。

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