スプーン1杯でも溺死、夏場の水難事故にあわないために

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突然だが想像してみてほしい。
夏は海や川など水辺で遊ぶのが楽しい。だからこそ安全に、たくさん遊ぼう。

35度を超える真夏日が続いていますが、海や川にプールと水辺で遊ぶ機会も増えているのではないでしょうか。しかし夏場は水難事故も多く、2014年に全国で発生した水難事故は1,305件で、およそ半数の740人が亡くなったり行方不明になっています。

いったん起こると命にもかかわる重大な事故となる可能性が高いのが水難事故です。たったスプーン1杯でも溺死する危険性があり、小さなこどもを抱える家庭では特に注意が必要です。

海、川、山を安全に楽しむために:政府広報オンライン

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水難の約半数は死亡事故に

2014年に発生した水難事故は1,305件、水難事故にあった人の数は1,491人にものぼります。そのうちおよそ半数の740人は亡くなったり行方不明と、命にかかわる重大な事故になっていることがわかります。

とくに7、8月の2か月間で水難事故件数475件(年間比36%)、水難者576人(39%)、死者・行方不明者は239人(32%)と夏場での事故の多さが際立ちます。

水難事故による死亡・行方不明者は、全体の4分の1を占める25.8%が「魚とり・釣り」、11.6%が「通行中」、11.1%が「水遊び」、8.5%が「水泳中」に事故に遭遇し、体の大半が水に浸る「水泳」や「水遊び」以外でも多数の水難事故が発生しています。

また中学生以下のこどもの場合での事故発生場所は、1位が「河川」で全体の52.7%を占め、2位が「海」の25.5%、3位が「湖沼地」の10.9%となっており、身近な河川での水遊びによる水難事故が大半を占めています。

海水浴で注意すること

水難事故を防ぐためにも自然環境の特徴を理解し、危険な場所を知っておくことが重要です。また、ささいな不注意や悪ふざけが重大な事故につながることもたくさんあります。

海には深さによって水温の変化が大きい場所や、流れの激しい場所、海藻が茂り遊泳者に絡みやすい場所など、危険な場所がたくさんあります。こうした危険な場所には「危険」や「遊泳禁止」などと案内されていることも多く、海岸や海水浴場にある掲示や標識をしっかり確認することが大切です。

また、「遊泳区域」でも流れの方向や強弱、水深、自分の体力によっては危険な場合も存在します。朝から遊んで疲れたこどもだけでなく、遠くから車を運転してきた保護者も決して無理はしないでください。

海では岸に近いところでも沖へ流れる速い潮の流れ「離岸流」があったり、急に深くなる場所もあります。同じ場所でも天候や潮の満ち引きで変化することもあり、「脚が地面につくから大丈夫」、「朝も同じ場所で遊んだ」から安全だとは限りません。

こどもの場合は転倒して溺れたり、波にさらわれることも考えられます。浅瀬だから大丈夫だろうと過信せず、こどもだけでは遊ばせないことようにしましょう。

他にも釣りをする際や、ボートに乗る場合なども体のサイズにあったライフジャケットを着用することが必須です。万一の事故に備え、連絡手段を確保するためにも携帯電話を防水パックに入れて身に着けておくことも重要です。

川での水遊びで注意すること

川では水遊びだけでなく、魚とりや釣り、河原でのバーべーキューなど水の中に入らない楽しみ方もあります。そのような状況でも毎年のように水難事故は発生しており、中学生以下のこどもは海での事故の2倍以上に達しています。

こどもだけで遊ばないこと、バーべーキューをするだけだから大丈夫、などと安易に考えないようにしましょう。

川では上流から水が流れてくることから、現在の場所では雨も降っていないのに水量が増えることがあります。またダムがある場合なども同様に、急激に増水することがあるので注意が必要です。

増水することにより河原や中州は水没する場所もあり、特に中州では増水し逃げ道がなくなることもあります。川辺にいるときは現地での天気だけでなく、上流に見える雲や落ち葉や流木、ごみなどが流れてきた場合にも水量が増えてきたサインと考え、すぐに非難することが大切です。

プールで遊んだ少年が帰宅後にベッドで溺死

2008年にアメリカで10歳の少年がプールで泳いで帰宅しベッドで昼寝していたところ、1時間以上後になり溺死した事故がありました。

「溺死」する多くの場合、気管や気管支を通じて肺に水が入ることで肺が損傷、肺胞による酸素と二酸化炭素の交換機能が阻害され、低酸素状態に陥ってしまうという「湿性溺水」となります。

しかし、この少年の場合は「乾性溺水」という、肺に水が入っていない状態で起こりました。

通常、人間は口から水が入ってきた場合、飲み込んだり、せき込むことで気管に水が入らないようにしていますが、溺れた時や夢中で泳いでいる時に水を飲みこんだりむせるような状態が続くと気管の入り口である喉頭部でけいれんが起き、声門が閉じて窒息、低酸素状態に陥ることになり、これを「乾性溺水」といいます。

この「乾性溺水」はたったスプーン1杯の水でも起こる可能性があり、人間に備わっている自己防衛機能により誰にでも起こり得るものです。

「乾性溺水」の主な症状として、眠気や呼吸困難、けいれんなどが挙げられており、症状が出始めると無呼吸状態が8~10分ほど継続することになります。

この間に的確な処置を行うことで90%近くが蘇生すると言われていますが、時間を経るに従い予後が悪化していきます。

プールや海で遊び疲れたこどもが疲れて昼寝する、ということは珍しいことではありませんが、水遊びの後はいつもより注意深く様子を見るようにして、少しでも様子がおかしければすぐさま医師の診察を受けるようにしましょう。

また、もしも溺れて救助されたような場合、とくに問題がないからと言ってそのまま普段通りに帰宅するのは危険です。救助された人が数時間後に重篤な状態に陥ったり亡くなる「二次溺死」の可能性もあるからです。

救助された後は必ず医療機関で診察を受けるようにしましょう。

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