突然だが想像してみてほしい。
小さいころに習ったように手はしっかり洗いましょう。
冬季はノロウイルスを原因とする食中毒が多発し、例年11月以降に発生件数が増加しており、また2015年は新しいタイプのノロウイルスが流行するのではないかとも言われており、注意が必要です。
ノロウイルスに対する家庭での有効な感染予防策は「手洗い」ですが、消費者庁の調査によると家庭での食事の前に手を必ず洗う人は52.6%、また15.4%はトイレの後に手を洗わないことがあるという結果が明らかとなりました。
ノロウイルスによる食中毒は、厚生労働省の食中毒統計によると食中毒患者数の5割を超え、毎年1万人以上の患者が発生しています。ノロウイルスは手や指、食品などから、口を介して感染し、ヒトの腸管で増殖し、おう吐、下痢、腹痛などを起こします。
健康な人は軽症で回復することもありますが、こどもやお年寄りなどは重症化したり、おう吐物を気道に詰まらせて死亡することもあります。
ノロウイルスには有効なワクチンがなく、治療は対症療法に限られています。
消毒用エタノールによる手や指の消毒は、石鹸などによる手洗いの代わりとはなりません。正しい手洗いの徹底こそが、家庭でできる有効なノロウイルスなど食中毒への対処法です。
食事の前はもちろん、トイレの後でもしっかり手を洗いましょう。
家庭での手洗いに関する意識調査
消費者庁による調査は、16~65歳の2000人を対象に行われました。
調査から、家庭での食事前に手を必ず洗う人は52.6%に留まっており、消費者庁ではどんなに清潔な食品でも、ノロウイルスなどの病原性微生物が手についていた場合、食品を食べるときに口から病原性微生物を取り入れて感染してしまう可能性があると注意を呼び掛けています。
また、15.4%の人についてはトイレの後に手を洗わないことがあるという結果となりました。
ノロウイルスについては感染者の糞便1グラムあたりに数億個のウイルスが含まれており、そのうち10~100個程度のウイルスを摂取することで感染されています。
また、ノロウイルスはドアノブ、カーテン、日用品などからも検出され、長期間感染性を維持することがわかっています。
トイレの後は必ず手を洗い、自分自身の手についたウイルスを洗い流すことが重要で、手を洗わずにドアノブやカーテン、日用品に触れた結果として、同居している家族など周囲へのウイルス感染を防ぐことも大切です。
正しい手洗い
綺麗に手を洗っているつもりでも意外と洗い忘れている部分もあり、正しく丁寧に手を洗うことが重要です。
消費者庁の調査で、手を洗う際に意識されていない部分として「手の甲」が39.0%、「親指の付け根」が29.6%、「手首」が22.4%となっています。
見た目には汚れていない場合でも気を付けて手の全体を洗うようにすることが大切です。
正しい手洗いの方法として、まず爪は短く切っておくこと、時計や指輪を外して次の方法を実践しましょう。
- 流水でよく手をぬらしたあと、石鹸をつけ手のひらを良くこすります。
- 手の甲を伸ばすようにこすります。
- 指先・爪の間を念入りにこすります。
- 指の間を洗います。
- 親指と手のひらをねじり洗いします。
- 手首も忘れずに洗います。
- 石鹸で洗い終わったら、十分に水で流し、清潔なタオルでよく拭きとって乾かします。