ノロウイルスが変異、9年前と同様に大流行の恐れあり

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突然だが想像してみてほしい。
ノロウイルスの危険を感じる季節が近づいています。

カキなどの貝類の摂食や、感染した人の糞便や吐しゃ物、それらが乾燥し飛散して経口感染するノロウイルスが変異し、人間が免疫を持たない新たなウイルスとなって2015年の初めから日本国内で感染を広げていたことがわかりました。

国立感染症研究所では、ノロウイルスの本格的な流行は秋以降ですが、今回発見された新しいウイルスが主流となった場合、例年にない大きな流行になる恐れがあるとして全国の地方衛生研究所にウイルスの分析を徹底するように求めています。

変異したノロウイルスは川崎市健康安全研究所と国立感染症研究所などのグループが行った調査で発見されており、2014年10月から半年間において日本国内の患者から検出されたウイルス2000株以上を調べたところ、主流の遺伝子型ではないものが急激に増え、2月以降はすべてこの変異した型になっていました。

激しいおう吐や下痢を引き起こすノロウイルスには、人間に感染する遺伝子の型が31種類あると言われ、遺伝型の判別ができるようになった2004年(平成16)以降では、国内外で「GII/4」型が主流を占めています。

川崎市健康安全研究所と国立感染症研究所などのグループの調査により急激に増加していることがわかった遺伝子型は「GII/17」という型で、詳しく遺伝子を解析したところ人間への感染のしやすさにかかわる部分が変異しており、人間が免疫を持たない新しいウイルスであることがわかりました。

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ノロウイルス遺伝子型変異による流行は9年前にも

ウイルスは変異により新たな型が出てくると、それまでに人間が獲得した免疫が役には立たず、感染者が増え大きな流行になる恐れがあります。

患者数の統計が始まった1999年(平成11)以降で、ノロウイルスを含む「感染性胃腸炎」が大きな流行になったのは2006年(平成18)のことです。

2006年に大きな流行となったきっかけは今回と同じように、それまでに流行していた「GII/4」型のノロウイルスが変異したことで、人間が免疫を持たないウイルスとして感染が広がりました。

そして、例年の流行では11月頃から患者が増えていたのが1か月早い10月頃より増え始め、全国の3000の小児科医療機関から報告される「感染症胃腸炎」の患者は、10月からの3か月間累計で1医療機関当たり166.8人と前年同時期の約1.6倍にも上りました。

国立感染症研究所は9月から12月上旬の3か月で、こどもを中心とした患者数は303万人を超える数となったと推計しています。

また当時のNHKの調査によると、10月から12月までに少なくとも2400件を超える集団食中毒が発生しており、東京・池袋のホテルで発生した集団感染はホテルの利用客など400人を超え、利用客がじゅうたんの上に吐いたおう吐物から感染が広がったとみられています。

当時、集団食中毒が発生した場所は高齢者施設が半数を占め、次いで医療機関、保育所・幼稚園と抵抗力の弱い人たちが集まる施設での集団発生が相次いだこともあり、国立感染症研究では2015年の秋以降に変異型「GII/17」が主流を占めた場合には9年前と同様に大流行になる恐れがあるとして、注意喚起を促す考えです。

国立感染症研究所の片山和彦室長は「新たなウイルスが秋以降も流行の主流になった場合には、2006年(平成18)のときと同じような大流行につながりかねない。どの程度検出されるか監視し、警戒する必要がある」と指摘しています。

ノロウイルスの非常に強い感染力

ノロウイルスによる感染症胃腸炎は一年を通じて発生していますが、特に秋から冬にかけて本格的な流行を繰り返しています。

ノロウイルスは手指や食品などを介して経口で感染し、おう吐、下痢、腹痛などを引き起こします。

ノロウイルスについてはワクチンがなく、治療は脱水症状を起こさないように水分を補給する対症療法に限られています。健康な方は軽傷で回復するなど数日間で自然回復しますが、こどもやお年寄りなどでは重症化する場合や、吐しゃ物を気道に詰まらせて死亡することがあるので注意が必要となります。

そして、非常に感染力が強いのが特徴で、100個程度あると感染し、腸内で増殖し症状を引き起こします。

ノロウイルスに感染した患者のおう吐物、便などはウイルスに汚染していると考えられ、処理する際にはアルコールにより消毒では不十分で、マスクと手袋を身に着けて次亜塩素酸ナトリウムを含む市販の漂白剤などを使って消毒する必要があります。

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