突然だが想像してみてほしい。
とてつもなく大きなスケールで行われる将棋の対局を。
自動車を将棋の駒に見立てた対局が2月8日10時から西武ドームで行われました。対局棋士は羽生善治名人と豊島将之七段で、2014年王座戦の対局を思い起こさせました。
対局の模様はニコニコ生放送で中継されていました。
電王戦×TOYOTA リアル車将棋
http://live.nicovideo.jp/watch/lv199844325
「電王戦×TOYOTA リアル車将棋」と銘打たれたイベントはドワンゴとトヨタ自動車のW主催で、将棋界・自動車業界ともに初めての試みとなるスケールの大きい「自動車将棋」です。
羽生名人はトヨタが選定した過去の名車を、豊島七段はユーザ投票で選ばれた現行車を「将棋の駒」として使用します。新旧の20台、合計40台の車が棋士の指示により、巨大な将棋盤を縦横無尽に動きまわっています。
画像だけを見るとミニカーを使っているのでは、と感じてしまいますが、間違いなく本物の車なんですよ。
「史上最大」ともいえる対局を羽生善治名人が見事勝利し、「会場に来る前は本当に車が盤上で動かせるのか半信半疑でしたが、実際に車が狭い隙間を縫うように動くのを見て、ふだんどおりの将棋を指すことができました」と話しておられます。
電王戦×TOYOTA リアル車将棋
http://ex.nicovideo.jp/denou/kurumashogi/
自動車将棋に使われた車
駒である車を運転するのは、各棋士陣営のドライバーチームです。将棋盤は縦54メートル、横33.3メートルと通常の将棋盤から14,835.16個分というスケールながら、一コマのサイズは縦6メートル、横3.7メートルとけして大きくはありません。
この狭い区画を動き回る車にも注目ですね。
羽生善治名人側の車種
羽生名人は「過去の名車」を駒にしています。
- 王将:トヨペットクラウン(2代目)
- 飛車:カローラレビン(AE86)
- 角行:ランドクルーザー(40系)
- 金将:プリウス(初代)
- 銀将:アルテッツァ
- 桂馬:bB
- 香車:MR-S
- 歩兵:ヴィッツ(初代)
豊島将之七段側の車種
豊島七段は「現行の車」を駒にしています。
- 王将:クラウンアスリート
- 飛車:86
- 角行:MIRAI
- 金将:プリウス
- 銀将:ハリアー
- 桂馬:iQ
- 香車:カローラアクシオ
- 歩兵:Vitz
自動車将棋を支える精鋭ドライバー
羽生名人陣営のドライバー
80歳にして現役レーサーとして活躍している多賀弘明氏が率いる早稲田大学自動車部が、羽生名人陣営のドライバーチームです。
早稲田大学自動車部は「全日本学生自動車連盟年間総合杯」や「全日本学生ジムカーナ選手権大会」で優勝するなど輝かしい成績を誇っており、その中から優秀な5名を選抜しています。
豊島七段陣営のドライバー
トヨタ自動車東富士研究所にて車両運動性能全般の開発・実験業務にあたる精鋭のテストドライバー5名が豊島七段陣営のドライバーです。トヨタ車の全てを知り尽くした運転のスペシャリスト達が豊島将之七段の指し手を巨大な盤上に再現します。