夏にぴったりな微発泡酒「どぶろく」は女性にも人気

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突然だが想像してみてほしい。
夏にビールではなく「どぶろく」はいかが。

「どぶろく」というと、酒税法に違反した「密造酒」のイメージも強いお酒ですが、清酒よりも比較的低アルコールで、ビタミンB群や必須アミノ酸が摂取できることから「和の健康酒」のイメージも広がり、若い女性にも受け入れらてきています。

「どぶろく」は米を使った種類では最も素朴な形態と言われ、炊いた米に米こうじや酒粕に残る酵母などを加えて発酵させることによって造られる、日本酒(清酒)の原型です。

清酒に比べ濾過が不十分であるため、未発酵の米に含まれるでんぷんや、でんぷんが分解した糖分によりほんのり甘い風味をいます。

簡単に言うと清酒を絞る前のもろみ酒で、発酵によるサラリとした甘さと酸味、粒々した食感が女性に好まれているのでしょうか。

夏場の暑い時期にビールもよいですが、涼しげなグラスに注がれた「どぶろく」は、甘酸っぱさと微発泡の炭酸が清涼感をもたらしてくれることでしょう。

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女性に受け入れられる「どぶろく」

伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店と銀座店では7月に「どぶろくフェア」を開催し、全国の6蔵15アイテムをそろえ、品切れもでるほどの好評となりました。

「甘酒」の次に着目された「どぶろく」は、2003年からの構造改革特区制度による規制緩和(どぶろく特区)により高品質などぶろくが各地で作られるようになったことが大きく、年配の方が持つどぶろくの悪いイメージは他の世代にはマイナスとならず、どぶろくフェア中には30~40代の女性を中心に伊勢丹新宿本店だけで一週間に約200本が売れる結果となり、今後も期待される商品となりそうです。

自家醸造は酒税法違反

近年の発酵食品ブームの影響か、インターネットではどぶろくの手作りレシピが数多く掲載されています。国税庁課税部酒税課によると、「レシピの掲載は罪にならないが、無免許でアルコールを醸造したものは酒税法第54条により10年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられることがあります」としており、実際に2013年度は10件が処罰されているようです。

かつてどぶろくは酒蔵だけではなく、各家庭や農家でも一般に作られてきましたが、明治に入り酒造税が制定され、やがてどぶろくの自家醸造も禁止されました。

自家醸造を禁止した理由は日清・日露戦争で酒税の大増税を繰り返した際にその負担に耐え切れないとする醸造業者に、増税を許容してもらうための一種の保護策であったとも考えられています。

明治時代においては酒造税は政府の主要な税収源で、酒税は国の税収の3分の1にも達し、国税3税のひとつといわれました。酒造業者の経営不振はやがて税収減少に跳ね返ることとなり、政府はどぶろくなどの自家醸造禁止などにより、酒造業者を保護する方針がとられることになります。

こうして、農家などで自家生産・自家消費されていたどぶろく作りは酒税法により禁止され、現在にまで至っています。

100年ぶりに再興した酒蔵

どぶろくを製造する「若松屋 東京港醸造」の斉藤顕吉さんは、「どぶろくと聞いただけで『戦後の粗悪な密造酒』との拒否反応もありましたが、百貨店で扱っていただいたことで理解が進んだ」と語っています。

斉藤家は文化9(1812)年から明治42(1909)年まで、この地で酒造業「若松屋」を営んでいたといいますが、跡取りが途絶え廃業した後は食堂や雑貨商を続けてきました。

斉藤顕吉さんの父であり7代目となる社長の俊一さんは、「7、8代目にあたる我々で若松屋を再び」という夢を抱いていたところ、8年前に大手酒造のアンテナ酒蔵で醸造責任者だった寺沢善実さんと出会ったことで、夢が現実に近づきます。

寺沢さんは杜氏として「若松屋」の再興に参加、まずはどぶろくとリキュールの製造免許を取得し、敷地22坪の住まいを酒蔵に改装し、2011年から醸造を始めました。

杜氏の寺沢さんは「どぶろくは日本の『國酒』の原点。限られた環境で最良の酒をつくることに挑戦している。大手ではできない面白さがある」と意気込みを語ります。

東京の酒にこだわり八王子のキヌヒカリを使用し、歴史にあやかり「江戸開城」と名付けた本醸造と純米の生酒、火入れ酒を出荷するほか、どぶろくをベースとした果実リキュールも商品化するほか、平日の午後6時からは屋台バーも営業しています。

初年度千リットルだった生産量は年間1万2千リットルと順調に伸び、5年後の東京オリンピックを視野に、新規参入が困難な清酒の製造免許を取得することが3人の次の夢だといいます。

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