2016年春アメリカラグビープロリーグ誕生、サッカーの成功に続くか

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突然だが想像してみてほしい。
アメリカプロスポーツ界にラグビーは受け入れられるのか。

ラグビーワールドカップ2015イングランド大会はニュージーランドが2大会連続の3回目となる優勝で幕を閉じ、日本代表は予選で3勝を上げながらも決勝トーナメントに進めないという大会史上初の結果となり注目を集めました。

予選リーグで日本代表とも戦ったアメリカは大会4戦全敗という結果に終わりましたが、この10年でラグビーの競技人口が急増しているといい、競技人口はイングランドに次ぐ世界2番目となり人気も少しずつ上昇する中、2016年春から6チームによるプロリーグがスタートし、2017年からはカナダのチームも参入する見通しで、将来的には十数チームまで増えるといわれています。

アメリカンフットボール、バスケットボール、野球、アイスホッケーといった4大スポーツが人気、経営規模で頂点に位置するアメリカのプロスポーツ界で、新たに参入するラグビーは成功することができるのでしょうか。

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アメリカプロラグビー

アメリカ国内でラグビーのプロ化を目指すプロラグビー機構は、2016年4月から7月にかけてアメリカ国内で初となるプロラグビーのリーグ戦を開催すると発表しました。

リーグには6チームが参加し、各チーム10試合を行う予定です。6チームはアメリカ東部、西部カリフォルニア州、中西部のコロラド州を本拠地とする模様ですが、現時点でカリフォルニアに本拠地を置く2チームしか正式に発表されておらず、残りの4チームは今後新たに発表される予定です。

また、アメリカプロラグビーリーグの立ち上げにはカナダ・ラグビー協会も関心を示しているといい、2017年にはカナダ国内に本拠地を置くチームも参戦し、プロリーグが拡大していく見込みです。

ラグビーは外国のスポーツ

これまでラグビーのプロリーグが存在しなかったアメリカですが、ラグビーとの関係は長く、1871年にイングランド・ロンドンでラグビー協会が発足した3年後の1874年に、アメリカ初となるラグビーの試合がボストンで行われたという記録が残っています。

この試合は地元ボストンのハーバード大学がカナダのマギル大学を招待して行われた試合で、当時の学生の間で大きな話題となったといいます。

しかし、1880年にはエール大学の学生を中心にアメリカンフットボールのルールが整備され、学生らはラグビーではなくアメリカンフットボールを選ぶようになっていきました。

それでも20世紀初頭まではアメリカンフットボールとラグビーの人気は拮抗しており、ラグビーのアメリカ代表は1920年と1924年のオリンピックで2連覇を果たす活躍を見せていました。

アメリカンフットボールは1920年から4チームによる現在のNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)の前身となる組織が発足し徐々に人気を高めていき、現在ではアメリカプロスポーツで最も人気のあるスポーツにまでなる一方で、プロリーグの発足することのなかったラグビーはいつしか「海外生活経験者や留学生らが好む外国のスポーツ」というイメージが定着してしまったのです。

ラグビーの人気拡大

2008年からアメリカラグビー協会はラグビーの普及活動に力を入れ始め、2008年から2013年の間にラグビーの競技人口は81%も増加し、2010年から2014年の5年間でアメリカの大学180校に新たにラグビー部が創設されました。一方で、同時期にアメリカンフットボールの競技人口は約21%も減少しました。

アメリカラグビー協会に登録している競技者数は約45万人と日本と比べると約4倍の数字で、約3万3000人が大学生、約6万7000人が高校生を占めています。

20世紀初頭に試合中の死亡事故が多発したアメリカンフットボールは長い年月をかけプロテクターやヘルメットの改良を繰り返い行われてきましたが、この数年で再びアメリカンフットボールにおける怪我の深刻さがメディアに取り上げられるようになった影響で、サッカーやラグビーを選ぶこどもが増えた、とデータは示します。

アメリカでは人と人との接触があるコンタクトスポーツが好まれる傾向がありますが、こどもが行うスポーツとしては怪我も多く、生徒の負傷による訴訟を恐れた高校ではアメリカンフットボールを授業やクラブ活動から除外する例もあり、アメリカンフットボールを経験する動きがラグビー人気を後押ししているという見方もあります。

サッカーに続く新たなプロスポーツビジネス

アメリカでマイナースポーツの位置にいたサッカーを取り巻く環境はこの10年で大きく変わり、サッカー競技人口は世界第2位、プロリーグであるMLS(メジャーリーグサッカー)の観客動員数も年を追うごとに増加し、2015年には年間約1億ドル規模のテレビ放映権料を手にする中、サッカー以外のマイナースポーツの関係者もビジネスチャンスを逃すまいと模索しています。

とはいえ、サッカーも紆余曲折を経て約20年をかけて現在の地位を築いており、男子サッカーよりも話題性のあった女子サッカーは2000年代に資金難によりプロリーグが2回も廃止に追い込まれました。

2016年春から開催されるラグビーのプロリーグは会場の規模は5000人前後、テレビ中継は行われずインターネットによる中継が主な手段になるとみられ、プロリーグを進めていくうえで課題は山積みです。

しかし、2014年11月にシカゴで行われたアメリカ代表とニュージーランド代表の試合では6万1500人の観衆を集めチケットは完売、MLSと同様にスタープレイヤーが集うようになればアメリカラグビーが世界の覇権をとる第一歩となるのかもしれません。

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