FMラジオが全面停止、デジタル化を決めたノルウェー

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突然だが想像してみてほしい。
デジタル化は時代の流れ、とはいえアナログにも良さがある。

ノルウェーの文化相は2017年をもってFMラジオ放送を全面的に停止することを発表し、FMを通じてさまざまな音楽に出会った世界中のファンに衝撃が広がっています。

FMの全面停止は世界初のことで、より多くの情報を送受信できるデジタルラジオやインターネットを通じて音楽を聴くストリーミングサービスの普及によって、電波を通じてデータを送受信するアナログのFM方式は役割を終えたと判断されました。

テレビに続きラジオもデジタルへの移行を迫られていくのは時代の流れともいえ、ノルウェーに追随する国もあると考えられています。

しかし、周波数を合わせてラジオから流れる音楽に感動したファンは多く、FMを生んだアメリカでは反発の声が上がっています。

「デジタル化」が消すFMラジオ ノルウェー2017年「世界初の全面停止」

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ノルウェーの取り組み

ノルウェーの文化省、トーリル・ビドバイ大臣は4月16日に、国民に向け「ラジオのデジタル化は、さらなる多チャンネル化の扉を開き、全国のリスナーに恩恵を与えるだろう」と語り、FM放送の全面停止への理解を求めました。

アメリカのCNNテレビやイギリス紙デーリー・メールなど欧米メディアによると、ノルウェーは現在5局あるFMラジオ局をすべてデジタル・オーディオ放送(DAB)に切り替えるとされ、2017年1月11日から順次実施し、12月13日にはすべて完了する方針とされています。

DABはヨーロッパで導入されているデジタルラジオ放送の規格で、デジタル圧縮されたデータによって多くの情報量の送受信が可能とされ、CD並の高音質、受診の安定化、自動での選挙区などが実現されており、ノルウェーでは現在すでに22局が開局しています。

DABで運営費30億円を削減可能

DABの導入によりFMに比べ運営費は8分の1に抑えられ、全面移行により年間約30億円もの削減が可能としており、浮いた経費を新たな技術革新などに回せるとしています。

国営ノルウェー放送協会のトール・ヤルムン・エリクソン会長は「きょうはラジオを愛する人々にとって重要な日だ。質が高く多様なラジオ番組をリスナーに提供するため、多くの経営資源を(DABに)集中できるようになる」と歓迎しました。

しかし、全面移行によりノルウェー国内にある約70万台のFMラジオが使用できなくなるなど、影響は小さいものではありません。ただデンマークの調査会社、TNSギャラップによると、ノルウェーのラジオ・リスナーの56%はすでに毎日DABを聴いているとされています。

また、全世帯の55%は1台以上のDAB対応ラジオを所有しているとされ、自家用車の2割でもDABに対応カーラジオが備わっている調査結果もあり、ノルウェー政府はDABへの完全移行の決断を下しました。

アメリカのFMファンは反発

ノルウェー政府の決定に対し、アメリカのFMファンからは不満の声が聞かれています。アメリカでは1930年代にFMが生まれ、それまでのAMからステレオ放送となり高い音質で音楽を提供してきたことから多く音楽ファンを魅了してきました。

アメリカのFM放送からはアメリカだけに留まらない世界的な大ヒット曲も生まれてきたといえます。

「アメリカはノルウェーに続くのか?」とアメリカ紙クリスチャン・サイエンス・モニターではノルウェーのFM全面停止を伝え、「FMは音源を圧縮するDABより実は高音質なうえ、DABはFM電波よりも数秒遅れで到着する」といった音楽専門家の声を紹介しました。

さらに、「FMを全面停止にすれば、約5億台ものラジオが使い物にならなくなる」とするアメリカ連邦通信委員会(FCC)のコメントも伝え、ラジオのデジタル化の流れに「待った」をかけようとしています。

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