突然だが想像してみてほしい。
いくらなんでも販売されるまでに死亡数が多すぎる。
2014年度に日本国内で販売や引き渡されるなどして流通した犬は約61万7千匹、猫は約13万3千匹の合計約75万匹にも上りますが、約3%にあたる2万3千匹が繁殖から販売されるまでの過程で死亡していたことがわかりました。
2013年9月に施工された改正動物愛護法により、繁殖業者やペットショップなどは所有した数、引渡した数、死亡した数を記載した「犬猫等販売業者定期報告届出書」を所管の自治体に提出することが義務付けられています。環境省ではこの届出について「販売や繁殖に使われる犬猫が適正に取り扱われているかどうか把握するため」としており、犬や猫の国内流通の実数が判明したのは今回が初めてのこととなります。
しかし、流通全体の約3%もの犬や猫が死亡するという実態に驚きは大きく、今後はさらにペットショップなどの業者への規制が進む可能性があるのではないでしょうか。
犬や猫の流通量
2014年度 | 犬 | 猫 | 合計 |
---|---|---|---|
販売・引き渡し数 | 617,009 | 133,554 | 750,563 |
死亡数 | 18,517 | 4,664 | 23,181 |
比率 | 3.00% | 3.49% | 3.09% |
環境省推計(2009年) | 犬 | 猫 | 合計 |
販売数(最少) | 595,000 | 75,000 | 670,000 |
販売数(最大) | 595,000 | 170,000 | 765,000 |
死亡数(最少) | 450 | 80 | 530 |
死亡数(最大) | 450 | 240 | 690 |
比率(最少) | 0.08% | 0.11% | 0.08% |
比率(最大) | 0.08% | 0.14% | 0.09% |
2014年度の「犬猫等販売業者定期報告届出書」を集計した結果、ペットショップなどの販売業者により販売された数、また販売できず無償で引き渡された犬は617,0009匹、猫は133,554匹となっています。
一方で、繁殖から販売されるまでの過程で死亡した犬の数は18,517匹、猫は4,664匹となっており、販売や引き渡された総数比で見ると、犬は約3.00%、猫は約3.51%となっており、全体では3.09%になっています。
なお、これらの過程での死亡については、死因を報告する義務はありません。
2013年9月に施工された改正動物愛護法により「犬猫等販売業者定期報告届出書」が義務付けられるまで犬や猫の販売数などの実数は把握されておらず、環境所では2009年にペットショップなどの販売業者らを調査し、犬は年間約59万5千匹、猫は約7万5千~17万匹程度ではないかと推計し、死亡数については犬が約450匹、猫が約80~240匹と見ていました。
推計による販売・引き渡し数と死亡数の比率は、犬が0.08%、猫が0.11~0.14%で、実数よりも大きくかけ離れており、推計の33倍以上という死亡数には関係者も驚きの声を挙げています。
しかし、実数が把握されることで、犬や猫といったペットの流通・小売りの全体像が見え課題点が浮き彫りとなることで、実態に即した効果的な政策立案や、生体販売についての研究が進むと期待する意見があり、ペットを巡る問題の対策を検討する際のベースとなる数字として、継続してデータを集計し分析する必要があると指摘する声も上がっています。
コメント
[…] http://totsuzen.net/pet-150929 […]