突然だが想像してみてほしい。
女性が出産した後も美しく、女性であるために。
女性が妊娠するときに気になることのひとつとして挙げられる「妊娠線」。「妊娠線」は線状皮膚萎縮症または皮膚伸展線条と呼ばれる皮膚病の一種で、妊娠した時など皮膚が急激に引っ張られることでお腹や太ももに細い亀裂の痕ができてしまうというものです。
現在のところ治療法は確立されておらず、亀裂の痕は出産後もそのまま残ってしまうということから、新しい命の誕生は喜ばしくても、女性としては深刻な問題だと言えるでしょう。
妊婦の7割にできるともいわれる妊娠線ですが、最近では予防についての情報も多く、マッサージやクリームでケアすることで「妊娠線」が出なかったという妊婦さんも多いようです。
また、「妊娠線」という名前ではありますが男性でも症状が現れることがあります。
そもそも妊娠線ができる人とできない人のにはどのような違いがあるのでしょうか。
「妊娠線」とは
日本では「肉割れ」、「妊娠線」と称されることが多く、どちらも同じ症状を指しますが、「妊娠線」は妊娠期にできたものに対して使われるものが一般的です。
「妊娠線」は、妊娠中期から8か月の間にかけて、お腹や太もも、お尻などにできるものです。
皮膚の表皮はある程度伸びることができますが、その下の真皮や皮下組織の一部は伸びにくく、妊娠中のように皮膚が引っ張られた状態に耐えられなくなると、弾性線維に亀裂が生じると考えられており、妊娠中は毛細血管が透け赤みを帯びている細い線となって現れます。
初産の場合、妊娠線ができる女性は2~3割程度と言われ、出産を経験した女性の場合は7~8割が発症します。
出産すると次第に赤みはなくなり、白い色に変化していくようになり、時間の経過であまり目立たなくなるとはいえ、一度できた妊娠線の痕を完全に消すことは難しく、女性の悩みの種となっています。
また、妊娠線が多くみられるのはお腹や太もも、お尻の部分ですが、条件さえ合えば身体のどの部分にでも現れることになります。
妊娠線ができやすい人
妊娠線ができてしまう人が7、8割いる一方で3割の女性には妊娠線が全くできていません。妊娠線ができやすい人の特徴をご紹介します。
体重が12kg以上増加した
妊娠し、体重の増加が8kg未満の人は妊娠線がほとんどできません。一方で、体重が12kg以上に急増した場合、妊娠線のできる可能性は高くなります。
妊娠時でも適度な運動と食事によって体重をコントロールすることで、予防することができると言えるでしょう。
もともと小柄で痩せている
もともと小柄であったり痩せている人は皮膚面積が小さく、妊娠により皮膚が引き伸ばされやすくなるために、妊娠線ができやすくなってしまいます。
乾燥肌
肌表面が乾燥している人も妊娠線ができやすいと言われます。乾燥肌の皮膚が伸びにくい状態であることから、肌がひび割れしやすく、結果として脂性肌の人よりも妊娠線が現れる確率は高くなります。
出産経験がある
初産の人よりも出産を経験した人は妊娠線ができやすくなる傾向があります。これは、出産を経験していることで子宮が伸びやすい状態にあり、2度目以降の妊娠では急激にお腹が大きくなるために妊娠線ができやすくなります。
高齢出産
人は年齢を重ねるほどに肌の弾力を失います。このため、若いころに比べて妊娠線はできやすいと言えるでしょう。
ボディーローションなど保湿ケアを欠かさないことで妊娠線を防ぐことも可能です。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎の人など、ステロイド剤の利用を長期間にわたり続けると、肌の弾力が弱くなるという副作用があります。弾力がなくなり、皮膚が伸びにくくなるために妊娠線ができやすくなると言えるでしょう。
双子や三つ子を妊娠
双子や三つ子などの場合、一人の子よりもお腹は大きくなり、それだけ皮膚も伸びやすく、妊娠線もできやすくなります。
妊娠線の予防
最近では産婦人科などでも、適度な運動と体重管理をしっかり行うようにと指導されることが多くなっています。
適度な運動を行い、体重を管理することは安産にも繋がり、加えて妊娠線の予防にもなるというのであれば、妊婦の方にはぜひとも実施していただきたく、ご家族の協力も必要となることでしょう。
また、妊娠線の予防には肌を乾燥させず、保湿していくことが重要です。妊娠線のできやすいお腹や太ももなどを重点的にケアしていくことが大切です。
そして、まだお腹の大きさの目立たない妊娠初期から肌の保湿を続けることも有効でしょう。
妊娠線は、皮膚が急激に引っ張られることで洗われる症状で、妊娠時に限らず、成長期や肥満によってもできてしまい、女性だけでなく男性にもできてしまいます。