ネズミの「恩返し」行動を発見、人間以外で初の行動確認

mouse-150302

突然だが想像してみてほしい。
与えられた恩は今すぐにではなくても返せるようになりたいものです。

ネズミにも「恩返し」行動が観察された、という論文が英王立協会の専門誌「バイオロジー・レターズ」に発表されました。

仲間から受けた親切を忘れずに恩返しをする、という行動が人間以外で観察されるのは初めてと論文の共著者でスイス・ベルン大学の行動生態学者ミハエル・タボルスキー氏は話しています。

ネズミは互いに協力し助け合う行動をとることは既に知られていましたが、目先の利益がない場合に仲間に見返りを与えたりすることはないと考えられていました。ところが実験によると、以前に自分を助けてくれたネズミに対してよく見返りを与えることがわかり、今後も手助けしてもらうための行動ではないかと研究チームは考えています。

スポンサーリンク

ネズミの実験

実験では3匹のネズミを用意し、2匹を餌やり役、1匹を餌を貰う役に設定し、用意する餌はネズミが好むバナナと、あまり好みではないニンジンの2種類を用意して行われました。

まずは2匹の餌やり役ネズミがレバーを引くと、囲いの中にいるネズミに餌を与えられるようにすることで、好物であるバナナを与えるネズミを「質の良い協力者」、あまり好物ではないニンジンを与えるネズミを「質の低い協力者」と認識するのではないかと予想しました。

次に研究チームは、餌やり役と貰う役のネズミを入れ替え、先ほどまで貰う役だったネズミがレバーを引くとシリアルフレークが与えられるようにして実験を行うと、バナナを与えた「質の良い協力者」のほうが、ニンジンを与えた「質の低い協力者」よりも、時間が短く、また回数も多くシリアルフレークを貰えるという結果が出ました。

恩返し欲求は実は単純?

ネズミは本当に仲間の親切に対して見返りを与えているのでしょうか。

タボルスキー氏によると、ネズミは単純な関連付けを行っているといい、「ネズミ個体を認識し、受けた恩恵の質に対する反応がある」としています。

個体認識はネズミを含む多くの種で広く確認されており、またより良い餌のある場所に集まるというネズミの行動も明らかとなっており、ネズミはこの2つを関連付けて実験のような結果になったと考えられています。

タボルスキー氏は、他者に報いたいという欲求、そしてこの先も利益を与え合う関係を続けたいという思考回路は「我々が思うほど複雑ではないのかもしれない」と考えています。

スポンサーリンク

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です