突然だが想像してみてほしい。
高級を売りにしていた携帯端末が、格安路線に参入し市場が活性化することを。
ソニーが「エクスペリア」シリーズをイオンの各店舗で販売する予定であることがわかりました。イオンはこれまでにも「格安スマホ」の販売に参入していましたが、そのラインナップに人気のある「エクスペリア」が早ければ今春にも加わることになります。
端末価格は最新モデルの半額程度である3万円台が予定されており、月額費用として端末代・通信費を合わせて3千円前後を支払う形になるようです。
産経ニュース ソニー「エクスペリア」を格安スマホに投入へ イオンから発売 高級モデル路線を変更
http://www.sankei.com/economy/news/150127/ecn1501270005-n1.html
想定される「エクスペリア(Xperia)」の機種
機種として考えられるのは「Xperia A SO-04E」の同等機でしょうか。
2013年5月17日に発売され、電池交換可能で防水機能も持つ端末です。細かな仕様は変更する可能性がありますが紹介いたします。
- 約4.6インチの1280×720ピクセルの高解像度HDディスプレイ
- 防水/防塵、ワンセグ、おサイフケータイ、赤外線通信
サイズ(高さ×幅×厚さ) | 約131mm×約67mm×約10.5mm |
質量 | 約141g |
連続待受時間 | 3G(静止時) 約420時間 |
GSM(静止時) | 約360時間 |
LTE(静止時) | 約390時間 |
連続通話時間 | 3G 約630分 |
GSM | 約570分 |
ディスプレイ | 種類 HD Reality Display |
サイズ | 約4.6インチ |
解像度(ドット数) | HD:1280×720 |
CPU | 1.5GHzクアッドコア |
電池容量 | 2300mAh |
OS | Google Android 4.1 |
メモリ | RAM 2GB |
ROM | 32GB |
日本語変換エンジン | POBox Touch 6.1 |
Wi-Fi ワイヤレスLAN | IEEE802.11a/b/g/n |
DLNA | 〇 |
赤外線通信 | 〇 |
ワンセグ | 〇 |
おサイフケータイ | 〇 NFC(FeliCa搭載) |
Wi-Fi(無線LAN) | 〇 |
Wi-Fiテザリング | 〇 |
エリアメール | 〇 |
防水 | IPX5/8等級 |
急速充電*6 | 〇 |
ソニーモバイル「Xperia A SO-04E」
http://www.sonymobile.co.jp/xperia/docomo/so-04e/
ソニーのエクスペリア(Xperia)の戦略
ソニーのエクスペリア(Xperia)は、携帯電話事業の不振もあり高級モデルに特化する方針と考えられていましたが、携帯大手3社の半額程度に費用が抑えられる「格安スマホ」が一般に急速に普及している中、参入を決定したものと思われます。
今回まずイオンでの販売が明らかになりましたが、その他にも供給を検討しているとみられ、ソニーとして携帯電話事業での活路を「格安スマホ」に見出していると考えられます。
これまでの「格安スマホ」の端末としては、台湾・韓国など海外製の端末がメインとなっていましたが、広く名前の知られる「ソニーのエクスペリア(Xperia)」が参入することで、「格安スマホ」の市場がさらに拡大するのではないでしょうか。
新機種などはこれまで通り携帯大手3社に供給し、旧シリーズをイオンの格安スマホとして販売する方向で調整されているようですが、Android端末に大きな変更はなく旧シリーズといえど機能に問題ないと考える方は多いと思われ、それならば費用の安いイオンの格安スマホを使おうという流れは加速することでしょう。
なお、通信事業者としては、子会社である「ソネット」が提供するSIMカードをセットにして販売することになるようです。
So-net モバイル LTE:SIMカード種別切替
http://www.so-net.ne.jp/access/mobile/lte/sim.html
格安スマホ市場の拡大
これまで「格安スマホ」といえば台湾・韓国・中国などの製品を中心に供給されていましたが、昨年後半より富士通「Arrows」がイオンで販売され、シャープの「AQUOS」が楽天モバイルから発売されるなど、名の知られた国内メーカーも続々と参入を決めています。
携帯大手3社と通信費を比較し「安い」、という戦略で市場を拡大してきた「格安スマホ」も様々なイオンやビックカメラなど流通大手が参入し、競争が激化しており端末による差別化を図っているのが現状でしょう。
また、通信事業者として2015年度内に「日本郵便」も参入を検討しているといわれ、端末としてはソニーのパソコン部門が独立した「VAIO」も供給を予定しています。
今回のソニーの「エクスペリア(Xperia)」投入で、さらなる勢いがつくことは明らかではないでしょうか。
まとめ
「格安スマホ」というと、一般にはなじみの薄いメーカーの端末が多かったために、その点において購入を躊躇する一般層の方も多くいたと思われます。
昨年より富士通、シャープと国内メーカーが参入、今回のソニーも加わったことで「格安スマホ」業界は大きく動いていくのではないでしょうか。旧シリーズといえど、画面サイズや重量、スペックなど端末としては既に十分すぎるほどの性能があり、ブランド力のあるソニー「エクスペリア(Xperia)」の名前は大きいでしょう。
これまで「対 ドコモ・au・ソフトバンク」だったのが「対 他格安スマホ事業者」という移り変わりなのかもしれませんね。