突然だが想像してみてほしい。
世界最大規模の築地市場での最後の初競り。
2016年11月に江東区豊洲へと移転する東京の築地市場で1月5日、新春恒例、そして築地では最後となる初競りが行われました。最高価格は青森県大間産のクロマグロで1400万円の価格がつき、昨年の451万円を上回りました。落札は昨年に引き続き、寿司チェーン店「すしざんまい」の木村清社長でした。
築地市場は昭和10年に開設されて以来、食の台所として日本のみならず世界最大の規模を誇り大勢の人々に親しまれてきましたが、老朽化により2016年11月に江東区豊洲へと移転することが決定しています。
1月5日に行われた初競りは築地市場では最後となり、競りの始まる前には卸売業者の代表が「築地で長きにわたって商売を継続できたのは胸を張れることだ。80年以上世話になった築地に感謝しつつ、豊洲の新しい市場が、名前と同じ意味を持つ豊かな市場となるよう、ことし1年頑張っていきましょう」と話し、全員で手締めをして商売繁盛と移転後の成功を祈りました。
初競りで例年ニュースとなるのはクロマグロの価格ですが、2013年には1億5540万円もの価格がついたことでも注目を集めています。2014年は736万、2015年は451万円と続き、2016年は1400万円の価格がつき、過去10年間で5番目となる価格の高さになっています。
5年連続で落札したのは、寿司チェーン店「すしざんまい」の木村清社長で、青森県大間港で水揚げされた200キロのクロマグロでした。
木村清社長は、「脂の乗りも、形もいいマグロを競り落とすことができてよかったです。ことしは築地最後の初競りということもあってか人も多く、競りに関わる人も感無量だったのではないでしょうか」と話しています。
- 2011年 3,249万
- 2012年 5,649万
- 2013年 1億5,540万
- 2014年 736万
- 2015年 451万
- 2016年 1,400万
初競りのマグロはどうなる
今回落札されたクロマグロは、特別な人にだけ提供されるのかというとそうではなく、「すしざんまい」の店舗で本日5日の夕方から通常価格で提供されるということです。
本日、築地初セリにて「すしざんまい」が1千400万円で落札した本マグロ。 お陰さまで、築地市場最後のセリで5年連続落札となりました❗️ pic.twitter.com/kcqM7ZxszM
— from ざんまい (@zanmai_man) January 5, 2016
今年で言えば1キロあたり約7万円となり、通常時は1キロあたり3千5百円程度といわれ、約20倍もの仕入れ価格になっているわけですが、通常価格で提供されるのであれば縁起物として一度は食べてみたいものです。
築地初にて、「すしざんまい」が大間産180.4kgの本まぐろを4年連続最高値で落札しました。 本日夕方より各店で通常価格にて提供します。
「すしざんまい」のサイトはアクセス増のためか非常につながりにくい状態ですが、ご興味のある方はぜひ。
1億5千万円で落札されたマグロを釣った漁師さんの取り分は
競りで価格のついたマグロはいったいどれだけ漁師さんに還元されるのでしょうか。
大間漁連経由での出荷とするならば、 手数料として、卸売金額に対して大間漁連4% 青森県漁連1.5% 築地市場5.5%です。したがって漁師の取り分として89%に成ります。
9割近くが手に入るとして1億3,500万となりますが、燃料費だけで一日数万円かかると言われ、その他装備類の経費もかかると思われますが、それでも1億近くは手元に残るのではないかと考えられます。
とはいえ、長期にわたり船上での生活をされ、危険とも隣り合わせで漁をされているということを考えると、けして高いとは言えないのかもしれません。