相続税6億円が0円に?相続税増税で節税ブーム広がる

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突然だが想像してみてほしい。
子や思う親の賢明な気持ちがそこにはある。

相続税が2015年1月1日より増税されたことを機に、富裕層の間では「節税ブーム」起きているといいます。

改正された相続税は、相続財産の基礎控除(非課税分)が減ったことで課税の対象者が増えており、政府が消費税率8%への増税を決定した際に、裕福な人への増税も必要だと判断されたことによります。

相続税や贈与税には、富の集中を抑えることに加え、集中した富が世代を超えて無条件に「格差」として引き継がれていくことを防ぐ目的があります。

富の集中が固定化すると、親が富裕層であるかどうかで子の人生も決まってしまい、貧しい家に生まれたというだけで貧困から抜け出せない不公平な世の中となってしまいます。

相続税の増税は、この本来の目的とは裏腹に「節税ブーム」を巻き起こし、銀行や証券会社が開く相続税関連セミナーは連日大勢の人が詰めかけています。

野村資本市場研究所の宮本佐知子・主任研究員の推計では、全国の相続資産の規模は2030年にかけて年間60兆円にも達する見込みで、総額では1千兆円規模の資産が動くと見られており、各金融機関では「巨大な市場」の登場に色めきだっています。

「富の再分配」という基本思想を覆しかねず格差の固定化が進むと危機感を抱く考えと、より多くの財産を子供らに残したいという親として自然な思い、どちらがより自然な状態と言えるのでしょうか。

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純金を100グラムずつ贈与

東京の三越日本橋本店では、純金製品を展示即売する「大黄金展」を7月に開き、きらびやかな金の像や小判、仏具などと、品定めをする客らで賑わいました。

その会場の一角には、1キロの純金地金を小さな100グラムのバー10本に分割加工するサービスを受け付けるブースがあり、「節税」を目的とした人たちが集まっていました。

期間中で60人が計100キロの加工を申し込んだといい、加工は約4週間を要し、手数料1キロあたり税込1万6千円。地金を数本持ち込んだ80代の男性は「小さなバーにしておけば贈与にも売る場合にも便利」と語りました。

なぜ小分けにすることで相続税や贈与税が節税できるのかというと、例えば時価500万円の1キロ地金をそのまま成人した子に贈与すると、年110万円の基礎控除(非課税分)を差し引いた390万円に対して、48万5千円の贈与税が子に発生します。

しかし、小分けにすることで1本100グラムあたりの時価は50万円となり基礎控除額の110万円を下回るため、年に1~2本ずつ贈与することで税金を払わずに資産の移動が可能となり、小分けにする手数料を考慮しても節税効果大きなものとなります。

また、金を売却したときには「譲渡所得」として扱われ、年50万円の特別控除(非課税)を超えると所得税が発生し、通常の所得と合算した課税所得が大きくなり累進課税により税率も高くなります。

このため、売却することを考えても100グラム単位にしておくことが節税となるのです。

タワーマンション購入で6億円をゼロに

「6億円を税金ゼロで息子に譲る方法がある」、税理士の言葉に60代の男性は耳を疑いました。

男性は親の代から続く食品メーカーを同業者に売却、手元に10億円の現金を持っていました。そのうちの6億円を息子に譲ろうと考えていましたが、現金で贈与すると3億円以上となる贈与税がかかると知りあきらめていました。

税理士は、贈与したい6億円をもとに株式会社の設立、その会社名義で人気の高い高層タワーマンションをいくつか購入するという計画を立てました。

男性はその通りに、6億円で株式会社をつくり、銀行から4億円を借りて10億円を用意し、東京の六本木、赤坂などのタワーマンションを5戸購入しました。そして息子にタワーマンションを所有する株式会社の株式を贈与し、贈与税は「0円」で済んだといいます。

息子は実質的に時価10億円の不動産を所有する株式会社のオーナーとして、父の財産を受け継いだことになります。

税理士は「不動産は、贈与税や相続税を計算する際の評価額が時価を大きく下回る。その仕組みを応用した」と明かします。

現金10億円を贈与すると贈与財産の評価額は10億円となりますが、時価10億円の不動産では価格が変動しやすいことを踏まえた措置として評価額が大きく下がることになり、建物であれば評価額は時価の4~6割、土地であれば8割程度になるといいます。

これを利用し、マンションであれば土地の底地を数百もの個数で分け合うために1戸あたりの土地の持ち分は非常に少なく土地の評価額は小さくなり、高層階であるほど時価と評価額の差が大きくなり節税の効果が大きくなります。

また、物件を賃貸に回すことで評価額はさらに下がることにもなります。

この父子の場合は、時価10億円の物件について、贈与財産の評価額としては2億円まで圧縮しており、さらに2億円にも税金がかからないように「株式」で資産を渡しました。

会社は物件を買うために4億円を銀行から借り入れており、評価額の2億よりも借入金の4億のほうが多いため、株式の贈与財産としての評価額はゼロとなるため、親から子への贈与でも贈与税が発生しない、という仕組みです。

孫を養子に

遺産をもらった家族らにかかる相続税を節税する動きも活発化しています。

30代の男性は、3年前に他界した祖父の遺産5億円を一人ですべて相続しました。通常、孫は法定相続人にはなれませんが、祖父の強い意向で「養子」となっていたのです。

祖父の法定相続人は配偶者の祖母と、実子の娘2人でしたが、家を継げる男性が孫以外にいなかったこともあり、全員の同意のもとであえて孫に遺産を集中、相続税を減らす狙いもありました。

祖母や娘を経由した孫に遺産が相続されると、相続税も複数回納める必要がありますが、祖父から養子であれば1回で済むためです。この方法は「孫養子」と呼ばれる手法で、この男性の場合は約1億3千万円もの節税が見込まれています。

「孫養子」は土地長者が増えたバブル期に増えたとされていますが、税理士らによると相続税の増税を機に再び広がっているといいます。

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