榎木孝明さん「不食」、30日間「水」のみで身体に影響は

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突然だが想像してみてほしい。
毎日3食をしっかり食べるだけが健康ではないということを。

俳優の榎木孝明さん(59)が5月20日から6月18日までの30日間、「不食」を行ったとして話題になっています。榎木孝明さんは30日間ほぼ水のみを摂取し、血糖値や塩分調整のために数度飴玉を補給しただけだということですが、「元気で顔色も肌つやもいい」と話しておられます。

「不食」を行ったきっかけとして、「食べなくても生きられることを自分の体で科学的に調べてみたかった。」と話す榎木孝明さんは、20代からインドを中心に飲まず食わずの一人旅を経験したこともあり、不思議とその後の体調がよくなっていたことに着目し、短期間の「不食」を何度もこれまでにも実施していたといいます。

今回、30日間という長い期間の「不食」を実施するためにスケジュールを調整、万が一に備えて専門家の指導の下、都内の研究室に泊まり込み仕事場へ向かう日々を過ごしました。

基本的に水のみを摂取し、血糖値や塩分調整のために数度飴玉を補給していただけとしながらも、毎日行った採血、検尿、心電図検査では異常なく、体重は9キロ減の71キロになったということです。

「不食」中の出来事として、「集中力が増し、本を読むスピードが格段に速くなった。睡眠も深くなり、4時間眠ればすっきり。腰痛も消えた。理由はまだ分からない。でも、眠っていた自浄作用が一斉に目覚めた感覚。運動時も胸式呼吸が腹式に。スタミナが増しました」と振り返っておられます。

榎木孝明さんは、あくまで個人の体験に基づくものであるとして、「これを強制するものではないし、私自身、食文化を否定しません」話し、賛否両論の声があることも把握しており、「決して同じマネはしないでください」と強調しています。

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「不食」は健康に良い?

「断食」や「絶食」など、短い期間何も食べない、食べる量を極端に制限する「健康法」は広く知られており、実践する人も少なくないことがわかります。

2013年にドイツのシャリテ・ベルリン医科大学の研究者が発表した論文で、専門家の管理のもと1~3週間を1日200~500kcal程度の摂取に抑えて生活した場合の効果が発表されています。なお、一般的な日本人成人男性であれば摂取エネルギー量は2000~3000kcalです。

論文では、食事制限を行うことで「関節リウマチ」「慢性痛症候群」「高血圧」「メタボリックシンドローム」などについて良い効果が認められたとしており、食物を減らすことでホルモンバランスが変化したり、老化の原因となる活性酸素が減るのではないかと考えられています。

進化的に人間に近いとされる「アカゲザル」に対して行われた研究結果でも、食事から摂取するカロリーを通常の7割程度にすることによって、寿命が延びる可能性が認められています。

食事を制限するよりもさらに進んだ「断食」については、「慢性疾患の予防や治療に利用できる可能性はあるが、さらなる研究によって検証する必要がある」としており、効果についてはまだはっきりしていない、という状況です。

食事に関する研究はまだまだ途上ですが、「標準」とされる食事量よりも少し抑えた食事は健康に良い影響を与えるのかもしれません。

健康に与える影響は

健康的な人間であれば、水分を摂取していれば1か月程度絶食したとしても餓死することはないと言われています。

現代のように安定して食物を得られる状況はむしろ例外的な時期であるとされ、人間の身体には1か月程度食物を得られなかったとしても、脂肪や筋肉という形で蓄積されたエネルギーを分解することで生命活動が維持できる仕組みになっています。

しかし、ビタミンなど生命活動に必須とされるにもかかわらず人間の体内で作り出すことのできない栄養素は多く存在しています。

また、必要なエネルギーを脂肪を分解して得る必要がありますが、脂肪を分解する際に生成される「ケトン体」という物質が増えると、「ケトアシドーシス」という状態になり、失神など深刻な事態を引き起こす危険性もあります。

榎木孝明さんは専門家による指導と医療チェック体制が整った状態で「不食」を行われいたために問題はありませんでしたが、一般の方が気軽に「不食」を行うことは控えるべきでしょう。

「断食」「不食」の効果は

2013年にドイツのシャリテ・ベルリン医科大学の研究者が発表した論文中に、「断食」の大きな効果として、「生活習慣の改善のきっかけとなる」ことが挙げられています。

疑うことなく習慣として組み込まれている「食事」を制限してまで自身の身体と向き合ったからこそ、今後もより健康的な食生活を続けようという意識が芽生えるのでしょうか。

断食を行った人は、その後も野菜中心の食生活になるなど、一般的に健康的とされる食生活が維持されるケースが多いことがわかってきています。

「断食」はあくまでもきっかけで、ほんとうに健康的に過ごすためには、継続してバランスの良い食生活を続けていくことが重要だということを認識することが大きな効果なのかもしれません。

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