突然だが想像してみてほしい。
くせ毛は長く付きあわなければならない友人です。
昔から「丸坊主にすると髪質が変わり、くせ毛が直る」という話がまことしやかに伝わっており、耳にしたことがある人もいるのではないでしょうか。
見た目の印象が大きく変わってしまうために、たとえくせ毛が気になっている人でも実行に移したことがない人が多いのではないかと思いますが、気になるところです。
逆にくせ毛ではない人が、部活動などで丸坊主にする決まりがある場合などに、「くせ毛になってしまったらどうしよう」などという心配をする声も聞こえてきます。
実際のところ、丸坊主にすることでくせ毛が直ることや、くせがついてしまうといった「髪質」が変わることはあるのでしょうか。
髪質は年齢とホルモンバランスにより変化
幼いこどもの髪の毛はさらさらで、まるで絹糸のように滑らかです。
これは、髪の毛の一本一本が細く柔らかいためにくせが出にくいためで、成長するに従い髪の毛が太くなり、くせを持つようになってきます。
髪の毛のくせは毛穴自体の形に左右されるため、成長期で頭皮も伸びて毛穴の形も定まることに加え、ホルモンバランスの影響で髪の毛も太くなるためにくせがより目立つようになります。
また、年齢を重ねていくことで太い髪が細くなり、硬い髪が柔らかくなることがあるように、髪質は年齢とともに変化することはあります。
では、「髪の毛を切る」という行為により髪質が変わることはあるのかというと、答えは「変わることはない」ということになります。
それなのに「丸坊主にすると髪質が変わる」と言われる原因は、髪の毛がものすごく短くなるためにくせが見えにくく、まるで真っ直ぐに生えているように見えてしまうことに加え、丸坊主にする時期が成長期と重なることが多いからだと考えられます。
こどもの頃の柔らかい髪の毛は加齢とともに少しずつ硬くなりますが、成長期である小学生の後半から高校生の時期に丸坊主にした人は、髪が短いために硬くなる過程を実感することができず、高校での部活動引退時期などから髪の毛を伸ばすと、「こどもの頃と髪質が変わってしまった」と錯覚してしまうようです。
くせ毛に悩む人には残念な結果ですが、丸坊主にしてもくせ毛を直すことはできないようです。とはいえ、長い髪よりは短い髪のほうがくせが目立ちにくくはなりますし、また美容師に相談してくせを活かしたヘアスタイルを考えてみるのも楽しいのではないでしょうか。