ALS支援「アイスバケツチャレンジ」寄付金の使用用途は

rugby-150219

突然だが想像してみてほしい。
ブームとして一過性にせず、継続した研究が行える環境を整えることが重要。

2014年に大きなブームとなった「アイスバケツチャレンジ」を覚えている方はいるでしょうか。

バケツに入った氷水を頭からかぶり次にチャレンジする人を指名するか、ALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病を支援する協会に寄付をするか、という取り組みには批判の声もありました。

日本ALS協会によると、「アイスバケツチャレンジ」によって集まった寄付金の総額は約3793万円だったことを発表し、同協会が20年ほどかけて集めた寄付金は約7688万円であることを考えると、たった1年で20年の半分の金額が集まったことになります。

日本ALS協会の常務理事、金澤公明さんは「せっかく寄付していただいたので有効に使わせていただきたいということで、時間はかかってしまったが協会で検討してきた」と話し、使い道について二つの大きな柱を立てていることを明らかにしています。

  • (1)治療薬や福祉機器の研究開発補助(1件300万円×年間3件、3年間継続)
  • (2)患者のQOL向上へ介護者の育成など(1件30万円×年間5件、5年間継続)

細部については公募で決めるとして、具体的には7月から1件目の募集を始め、9月~10月に選考、10月に交付、というスケジュールを予定しています。

また、選考においては(1)については神経内科などの医師や専門家、(2)については協会役員や他の難病団体の人も入れて判断するとしています。

スポンサーリンク

多くの有名人が挑戦した「アイスバケツチャレンジ」

「アイスバケツチャレンジ」の運動は慈善活動の資金集めとして以前より行われていたとされており、2014年7月にゴルファーのクリス・ケネディ氏が友人の指名を受け氷水をかぶり、アメリカALS協会を寄付先に選び、次の挑戦者としてALS患者を夫に持つ従姉妹を指名したことからALSコミュニティに関わる人物に広がっていったようです。

そして、ともにALS患者である元大学フットボール選手のコーリー・グリフィン氏と元ヨーロッパのプロ野球選手のピート・フレイツ氏の2人が「アイスバケツチャレンジ」を行い、インターネット上に動画を公開したことにより、爆発的に広まりました。

アメリカではFacebook CEOのマーク・ザッカーバーグ氏からマイクロソフト元会長ビル・ゲイツ氏へとつながるなど大きな反響が広がり、バラク・オバマ大統領までもが挑戦者として指名されるに至りました。

オバマ大統領は氷水をかぶる代わりに寄付することを約束、アメリカのALS協会では「ほとんどの人はALSについて認識が乏しく、資金集めはとても困難だった」「こんな奇抜な方法で支援の輪が広がるとは、感激だ」と話しています。

日本でもソフトバンク株式会社代表取締役社長である孫正義氏や、2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞した京都大学iPS細胞研究所所長・教授の山中伸弥氏などが氷水をかぶり、日本ALS協会には8月18日から22日の間に前年1年分に匹敵する394万円の募金が集まりました。

ALS(筋萎縮性側索硬化症)

NHKによると、「アイスバケツチャレンジ」については62%が知っているのに対しALSについては22%と、ALSという病気についての認知度は思うように上がっていないのが実態です。

日本には約300の国指定難病がありますが、ALSもその中のひとつです。

ALSは別名、ルー・ゲーリック病ともいわれ、身体の感覚や知能、視力や聴力、内臓機能は健全のまま、手足、喉などの身体中の筋肉などが徐々に衰えていく病気です。

最終的には目しか動かなくなることが多いが、中には目まで動かなくなる「完全な閉じ込め状態」(TLS=Totally Locked-in State)に陥ることもあり、日本では約9200人のALS患者がいるとされています。

治療法がない難病「ALS」

ALSは最初の患者が発見されてから約140年経つものの、いまだ原因不明で治療法は見つかっていません。

唯一の治療薬「リルゾール」は日本でも1999年から使用を認められましたが、ALSの病状を改善したり、回復させるものではありません。ALSを発症すると、人工呼吸器を付けない場合の余命は平均3年半ほどとされており、リルゾールを用いても、2,3か月の延命しか見込めないのが現状です。

一般的にひとつの薬をつくるためには研究費が何十億円とかかるとされ、また、マウス実験などを経て人間での実験となるまでに十数年もの時間が必要です。

ALSの治療薬については、「最終的に人間には効果がなかった」という状態が10~20年続いているとされ、薬の研究開発にはまだまだ多くの費用が必要となっています。

しかし、「患者はいつ治療薬ができるか、ということに希望を持って生きている。家族や遺族も早く薬をという気持ちが強い」と日本ALS協会の金澤理事も希望を捨てていません。

身体が動かなくなる病気「ALS」

たとえ有効な治療薬がないとしても患者にも生きる権利があります。ALS患者らの療養生活の質をよくするためにの支援活動にも募金を有効活動したいとしています。

ALSは病状が進行すると、多くの場合で自力呼吸ができなくなり人工呼吸器を付ける必要があります。そうして気管切開をした患者は痰が詰まると窒息するため、頻繁に痰の吸引が必要ともなります。

痰の吸引の担い手が少ない現状で、介護ヘルパーらの人材を育成するのを目的とし、そのほかにも「現場で患者が困っていること。研究すれば改善できることに使わせていただければ」と日本ALS協会では話しています。

スポンサーリンク

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です