突然だが想像してみてほしい。
小さな体でも、その特徴を生かしてできることがあるということを。
熊本県警察本部で4月1日、事件や災害現場で容疑者や行方不明者の捜索活動などを行う嘱託警察犬の委嘱書交付式が行われました。
1月に行われた試験で選ばれたシェパードやラブラドルレトリバーなど20頭の中には、全国的にも珍しいミニチュアダックスフントも含まれており、今後1年間、現場で警察の活動を手助けしていくことになります。
ミニチュアダックスフント2頭の嘱託警察犬の飼い主である新久保美枝子さんは「小さい体を生かし、倒壊家屋などの現場で生存者発見につながれば」と期待を寄せています。
ミニチュアダックスフントの警察犬
ミニチュアダックスフントの警察犬は、2013年に初めてベッキー(雌・当時3歳)が熊本県警察の嘱託警察犬となったのが全国で初めてのことでした。3度目の挑戦で合格し、飼い主の新久保美枝子さんは「やっとこの日が来たという気持ち。うれしいのひと言。こつこつ努力したことが、結果につながった」と感慨深げに語っておられました。
また、熊本県警察にはもう1頭ミニチュアダックスフントの警察犬、ミキティーも活躍しています。ベッキーとミキティーはいずれも行方不明者などの捜索を行う捜索救助犬として嘱託されており、震災や土砂崩れなど災害発生時の家屋倒壊現場など大型犬では捜索できない場所での活躍を期待されています。
嘱託警察犬
警察犬には「直轄警察犬」と「嘱託警察犬」の二種類が存在します。
「直轄警察犬」は、各都道府県の警察が飼育・管理・訓練を直接行っている警察犬で、熊本県警では現在2頭(ケリー・ナイキ)が刑事部鑑識課に所属し活躍しています。
「嘱託警察犬」は、民間で飼育されている優秀な犬を警察犬として嘱託し、警察活動に活用する制度で、年に一度行われる嘱託警察犬審査会で成績が優秀だった指導士と犬に対して、4月1日から1年間嘱託するようになっています。
今回のミニチュアダックスフントの警察犬ベッキー、ミキティーも嘱託警察犬となっています。
「直轄警察犬」は日本警察犬協会が7種の犬種を指定しています。
- ジャーマン・シェパード・ドッグ
- ドーベルマン
- エアデール・テリア
- コリー
- ボクサー
- ラブラドール・レトリバー
- ゴールデン・レトリバー
指定犬種以外の小型犬などは「嘱託警察犬」として選ばれることがあります。
- ミニチュア・シュナウザー(2010年和歌山県警)
- ロングコートチワワ(2011年奈良県警)
- 柴犬(2011年岡山県警)
- トイプードル(2012年鳥取県警、京都府警)
- ミニチュア・ダックスフント(2013年熊本県警)