結局のところ朝食を食べる、食べないことによる影響は?

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突然だが想像してみてほしい。
朝は軽く、昼にしっかり、夜も軽めが地中海式食事。

朝食を食べないこどもは集中力が下がる、などの弊害から朝食を食べる意義はさんざん語られているところです。実際にこれまでの研究で朝食を食べると記憶力、集中力、注意力が高まるだけでなく、肥満や糖尿病、心臓病のリスクを下げることが指摘されており、特に代謝の活発なこどもや若い世代の人には朝食をしっかりとるべきなのは言うまでもありません。

しかし、代謝が活発ではない大人において、「朝食は本当に必要なのか」という議論がアメリカでなされています。

アメリカでは肥満問題が深刻になっており、体重と身長の関係から肥満度を示す指数「BMI」が30以上の人口比率が30%以上となっており、日本の約10倍にも上ります。

これまで「朝食は肥満の予防となる」とされてきており、理由として「朝食を食べないと一日中空腹感が強まり、間食をしたり昼食・夕食の量も増える」と考えられてきました。

ところが、「朝食を食べない」ことで減量できるという結果が近年報告されてきたのです。

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朝食は必要?

2013年、アメリカ・コーネル大学の研究者らは、「朝食は肥満の予防となる」という通説にはどこまで信ぴょう性があるのかを確認するため、朝食を食べる習慣のある人とない人を対象に実験が行われ、参加者が朝食の時間以後にどのくらい食べるかを観察しました。

結果、朝食を食べない人は食べる人よりも空腹を感じることになりましたが、昼食やその他の時間においてもより多くを食べることはなく、一日の総摂取カロリーを計算すると朝食分だけ少なく、平均で408キロカロリー程度少なくなりました。

つまり、朝食を食べない人のほうが減量できるという結果になっています。

また、2014年にアメリカ・アラバマ大学バーミングハム校の研究者らは、20歳から65歳の太り気味、肥満とされる309人の成人を対象として、「朝食を食べる」、「朝食を食べない」、「朝食を食べたり食べなかったり」という3つのグループに分け、16週間にわたり経過観察を行いました。

朝食に何を食べるかや時間については調査対象外であったため、食欲や代謝への影響は確認できないものの、朝食の摂取の有無が減量に影響することは認められませんでした。

いずれにしても、朝食を食べる、食べないということが体重に影響を与えるかはまだ明確な答えは出ていません。しかし、減量をするためにはまず1日の総摂取カロリーを減らす必要があることは明白で、今後は食事の種類や質、時間などを管理した調査が行われていくことでしょう。

朝食と健康状態の関係

体重を適正に保つことは生活習慣病の予防などに繋がりますが、過度のダイエットや無理のある食事制限などは健康を害することにもなります。

朝食を食べないことは健康状態へどんな影響があるのでしょうか。

2013年、アメリカ・ハーバード大学の研究者らは、45歳から82歳の男性2万6902人を対象として16年間にも及ぶ大規模な調査を行いました。結果、朝食を食べない男性は冠動脈性心疾患のリスクが27%高くなり、夜遅くに食事をとる人は冠動脈性心疾患のリスクが55%高くなると報告しています。

同様に女性4万6289人を対象にした6年間の調査では、朝食を食べない女性は2型糖尿病となるリスクが20%も高いことが報告されています。

しかし2013年、スウェーデンのリンショーピング大学の研究者らの調査によると、朝食を食べない場合でも、昼食にカロリーと栄養をしっかり摂取する地中海式ダイエット方法で、糖尿病患者の代謝に有利に働くことが報告されました。

研究者らは2型糖尿病患者21人を対象に、低炭水化物ダイエット(朝食あり、炭水化物によるエネルギー摂取は16~24%)、低脂肪ダイエット(朝食あり、同45~65%)、地中海式ダイエット(朝食はブラックコーヒーのみ、昼食は他2つのダイエットで提供する朝食+昼食分のカロリー+赤ワイン、炭水化物によるエネルギー摂取は32~35%)と設定し、対象者は3つの方法を様々な順序ですべて試すようにして比較しました。

調査の結果、低炭水化物ダイエットは低脂肪ダイエットよりも血糖値の増加を抑えられましたが、中性脂肪のレベルは高い傾向となり、地中海式ダイエットは低脂肪ダイエットと食後血糖値は同程度に留まりました。

結論として、糖尿病患者においては1日を通じて少ない食事を朝昼夕と摂取するよりも、昼食など一回に多い量を摂取する地中海式ダイエットの方法が推奨されるとしています。

朝食は食べるべきか

こどものうちは朝食をしっかりととるべきでしょうが、大人になると必ずしもそうだとは言い切れないようです。性別や年齢、仕事や持病などによっても一日に必要とするカロリーは異なり、生活スタイルによって食事する時間も異なります。

朝食を食べる場合でも注意すべきなのは、メープルシロップをたっぷりかけたパンケーキ、甘いシリアル、オレンジジュースなどは砂糖の取りすぎで、菓子パンやスナックを朝食代わりにしている人も注意が必要です。

間違った朝食はかえって健康に害を与えるため、野菜や果物、ナッツや豆などを取り入れることが健康的な食事の代表です。

現在の健康状態に問題がなく一日の始まりが快適であるのなら、朝食を食べる人も食べない人も現在のスタイルを無理に変える必要はないでしょう。肥満気味や、日中に集中力が続かない、イライラしてばかりなどの場合は一日の始まりの習慣を見直してみるのも良いのではないでしょうか。

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