カーナビのビッグデータから危険な生活道路対策がはじまります

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突然だが想像してみてほしい。
様々な分野で活用されるビッグデータが交通安全にも。

国土交通省では交通事故発生率の高い生活道路の事故防止に向けて、自動車に搭載されたカーナビを通じて収集した走行情報をビッグデータとして活用する取り組みを2016年度から始めるとしています。

カーナビを通じて収集できる走行経路や速度、急ブレーキを踏んだ位置などをもとに危険個所を割り出し、道路設備の改良や規制内容の改善など、集中的な対策を行うといいます。

医療や観光など様々な分野で傾向を分析するのに活用されるビッグデータが、対策が難しいとされる生活道路への対策の切り札として、住民の命を救うことが期待されています。

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生活道路に潜む危険

住宅街や商店街を通る生活道路は、住民の暮らしに密着した道として通勤や通学時間帯には多くの人が行きかう一方で、場所によっては幹線道路の渋滞回避やショートカットのための抜け道として利用されるなど、車が絶えまなく通過するところもあります。

こうした生活道路では車道と歩道が分けられていない場所も多く、車と登校中の児童との事故などは後を絶っていません。

国土交通省では生活道路の対策が急務であるとして、自動車メーカーが道路交通情報を提供するために顧客のカーナビを通じて収集している膨大な走行情報に着目し、独自に収集した情報とあわせ、ビッグデータを活用した根本的な対策を進めることを決めました。

具体的には、ます国土交通省が収集した事故の多いエリアについて、自動車メーカーから走行情報の提供を受け、交通量や速度の速い車が目立つ危険な生活道路を割り出します。

そして生活道路を管理する自治体に対し、速度抑制対策や生活道路に侵入する車そのものを減らすため、生活道路への入り口を狭くすること、道路になめらかなコブをつくる、道路をジグザグの形状にする、相互通行道路を一方通行にする、歩行者・自転車用の通行帯を広くする、などの措置を求めていくとしています。

走行情報の提供については、ドライバー側が情報提供の可否を選択することができ、提供したとしても個人が特定されない形での提供となるためプライバシーの侵害には当たらないといい、実際にトヨタ自動車では「すでにABSの使用状況や災害時の通行可能な道路情報などを自治体に提供した実績はある」として、ビッグデータの提供に障害はないとの見方をしています。

国土交通省では緊急対策が必要と思われる先行対策地区を全都道府県から約100か所を選定し、自治体と連携しながらも直接対策に関与していく予定です。

先行対策地区は各都道府県で1~3地区を選ぶとして、1地区あたりの大きさは約500メートル四方を想定しています。そして各都道府県ごとに同程度の範囲内で発生する人身事故件数の平均値を求め、平均値の10倍以上の事故件数となる地区が対象になります。

また、平均値の3倍を上回る地区は、優先対策地区として各自治体が順次対策を進めるとしています。

これらの取り組みにより「歩行中や自転車に乗車中の死者数を半減できる」と、国土交通省では対策の効果に自信を見せています。

危険な生活道路、進まない対策

国土交通省によると、2013年の全国交通事故死亡者数4373人のうち約半数の2184人が歩行中や自転車で事故に遭遇しており、さらにその半数が自宅から500メートル以内の生活道路が事故現場でした。

また生活道路における事故において、車の速度別致死率は時速20~30キロの場合は30キロ超の4分の1に留まることからも、国土交通省では「交通事故での死者を減らすためには、まず速度30キロ以下に落とさせることが重要」だとしています。

しかし、このような生活道路での危険性が明らかとなるデータがあるにもかかわらず、対策は進みませんでした。

要因として、道路を管理する市町村などでは担当職員が少ない中で道路補修に追われ、事故を未然に防ぐ対策にまで手が回らないこと、また、対策を進めるにも技術的な知識がないために「どのような対策をすれば良いのかわからない」という声も上がりました。

そして、道路設備や交通規制を見直すと地元住民の生活にも影響を及ぼすために、同意を得ることが難しいのも大きな要因として挙げられています。

今回のビッグデータを活用した国土交通省主導の対策のもと、危険度の高い地区の生活道路ごとに通行量の多さや通行車両の平均速度別に色分けした「危険度マップ」を作成し、自治体の判断で公表されます。

危険な場所が一目でわかる客観的なデータを地元住民に示すことで、対策の緊急性や必要性を理解しやすくするほか、国による具体的な対策方法を提示することで自治体も容易に対策が進められるといいます。

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