「バスクリン」85周年、長く愛される「本物の香り」へのこだわり

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突然だが想像してみてほしい。
入浴剤の歴史はなんと1世紀にも及ぶ。

お風呂に入れる入浴剤といえば「バスクリン」の名前が浮かびます。「バスクリン」は株式会社バスクリンが製造・販売する入浴剤ですが、入浴剤全般を指して「バスクリン」と呼ばれることもあるほどに一般名詞化しています。

「バスクリン」は1930年の発売以来、2015年で85周年を迎えていますが、その前身であり日本初の入浴剤「浴剤中将湯」が発売された1897年から数えると1世紀以上を経る歴史のある商品です。

600グラム入り容器は年に約1100万本が販売されるといい、その容量は実に東京ドーム54杯分にもなっています。

競合他社による新規製品が続々登場する中、1世紀を超えて愛され続ける「バスクリン」の長生きの秘訣はどこにあるのでしょうか。

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ピーク時の市場は約600億円

入浴剤は、婦人薬として販売されていた「中将湯」の生産時にでる残りかすを社員が家に持ち帰り風呂に入れたところ、冬は体が温まり、夏はこどものあせもが消えるということで社員の間で評判になり、この噂をきいた銭湯に「浴剤中将湯」として販売を始めたことが始まりとなります。

しかし「浴剤中将湯」は冬はよく温まるものの、夏場は暑くて汗が止まらない、という声があがり、夏用の入浴剤として「浴剤中将湯」に温泉成分と芳香を加えて開発されたものが「バスクリン」です。

戦後の高度成長期を迎え、住宅事情が変化し内風呂が普及したことに伴い一般家庭にも浸透、「遠くの温泉よりも近くのバスクリン」という広告が話題を集めました。

1970年代後半には競合製品も発売され、入浴剤の市場はピーク時に約600億円にも達します。

バブル経済の崩壊後は中元などの贈答用需要が激減したことで販売が落ち込んだものの、景気の好転もあり現在の市場規模は約504億円となっています。

「バスクリン」は花王が販売する「バブ」と毎年シェア1位を争う入浴剤のトップブランドとして、入浴剤市場をけん引しています。

バスクリンの香り

「バスクリン」の主成分は温泉に含まれる硫酸ナトリウムと、肌をきれいにする効果がある重曹、時代にあった人気の出そうな「香り」が加えられます。

バスクリン社内の開発チームには専任の調香師が置かれ、入浴中だけでなく入浴後にも体の周りに残る香りの持続時間が4時間程度保つように調整されています。

現在では「ゆず」や「森」など約10種類が用意されていますが、かつてはこども用の「イチゴ」や大人向けの「麝香(じゃこう)」の香りが販売されていました。

ベースとなる香りは本物の自然な香りだといい、「桜」の場合は桜の樹を特殊なビニールで覆い、香りをポンプで吸い集め、これを研究所で入浴剤に使える香りに変えています。

また「ゆず」の場合には、発売を決定したのが夏だったため八百屋など店頭では用意できず、有名料亭を走り回りゆずの身をかき集めたというほどに「本物の香り」へのこだわりが感じられます。

かつて「ジャスミン」の香りを人工的につくり売り出したところ、利用者から「これはジャスミンの香りではない」というクレームがあったことなど、「バスクリン」の主要な販売層である50~60代のシニア層は幼少時から「バスクリン」に慣れ親しみ、愛着を持っているために香りを安易に変更することはできないと考えています。

バスクリンの販売管理部広報責任者の石川泰弘さんは「基本を踏み外さない範囲でユーザーから飽きられないように作っています。ビートルズの曲はいつ聴いても新鮮で飽きない。バスクリンはビートルズと同じだと思う」と話し、「基本を守りながら香りや容器などで進化を続けてきた結果がロングセラーにつながった」とみています。

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