高校野球で木製バットでなく金属バットを使う2つの理由

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突然だが想像してみてほしい。
カキーンという打球音を残して、ボールはスタンドへと消えていく。

風物詩ともいえる「夏の甲子園」こと第97回全国高校野球選手権は、神奈川県代表の東海大相模高校が45年ぶりとなる2回目の全国制覇を成し遂げ閉幕しました。

決勝戦では東海大相模のエース、小笠原慎之介選手自身が決勝点となるホームランを放つなど、大会を通じて32本のホームランが生まれました。

そのホームランを生み出すバットはプロ野球とは異なり、木製ではなく「金属バット」をどのチームも採用しています。

100年の歴史を迎えた高校野球、最大の転機と言われるのが1974年の第56回大会から採用された「金属バット」の導入でした。

なぜ高校野球では木製のバットではなく、金属バットを採用しているのでしょうか。

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高校野球での使用バット

高校野球の規定で使用できるバットとして、木製バット、木片の接合バット、竹の接合バット、金属製バットの使用が認められています。

つまり、金属バットでなければいけない、ということはないのですが、実際には金属バットの使用がほとんどです。

1974年の第54回大会から解禁された金属バットについて、同年8月6日付の毎日新聞に掲載されたコラム「金属バット賛否」によると、「出場校34校を平均すると、ほぼ2人に1人が『金属打者』」とされており、出場校すべてが試合で金属バットを用いたものの、全員だというわけではなく、チームでたった一人だけが使用したなど様々でした。

同時期の朝日新聞、読売新聞によると、第54回大会において「神奈川県代表の東海大相模高校だけは全員が金属バットを使用している」と紹介されています。

現在では地方大会も含めて、ほぼ全員が金属バットを使用している状況からは想像もつきませんが、解禁元年の状況はそういったものだったようです。

金属バットを使用する理由

金属バットが採用された理由は、折れやすい木製バットを使用するよりも耐久性があることに加え、バットに使用する木材を保護するためにも有効だと考えられたからです。

くわえて、当時は木製バットの原料となる木材の価格が高騰、木製バットの価格も併せて高騰したことから、経済性を考慮したことも大きな理由です。

木製バットは芯を外すと折れてしまうことが多々ありますが、折れたから新しいのを用意する、というのでは保護者の負担も厳しく、高校生の部活動として成り立たないのでしょう。

近年では経費削減という理由もあるでしょうが、木製に比べ「芯」が広いことから思い切ったスイングができることや、金属バットの特徴ともいえる「反発力の高さ」により飛距離も出やすい、というプラス面が大きく、試合においては当たり前のように全選手が金属バットを使用しています。

進化する金属バット

現在の金属バットは導入当時より改良が加えられており、1991年からは打球音を抑えた「消音バット」が採用されています。これは、「カキーン」といった甲高い金属音が耳に響き、選手や球審に難聴など聴力障害を招いたこと、さらには周辺の住宅地への影響を考慮したためです。

また、金属バットが反発力を維持しながらも過度に軽量化していく中で、バット自体の破損やより速いスイングができてしまうために強すぎる打球がうまれ、プレーへの安全性が懸念されたために、2001年には900g以下の金属バットの使用が禁止されています。

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