春の甲子園、第87回選抜高校野球大会の準決勝(3月31日)で大阪桐蔭(大阪)と敦賀気比(福井)が対戦しています。
史上5校目となる夏春連覇を目指す大阪桐蔭と、2014年夏の4強で福井勢として37年ぶりの決勝進出を狙う敦賀気比の強豪同士の激突となりましたが、敦賀気比の6番打者松本哲幣選手が大阪桐蔭のエース田中誠也投手から初回の第一打席、2ストライク2ボールから変化球をとらえて左翼席に満塁本塁打を放ちました。
また、続いて満塁で迎えた2回の第二打席にも1ストライク0ボールからストレートをとらえて、再び左翼席に満塁本塁打を放ち、大会史上初となる2打席連続満塁ホームランを記録し、1試合8打点の記録を残しています。
1試合8打点は大会最多打点記録で、これまでの記録はPL学園(大阪)の桑田真澄選手(元巨人)、星稜(石川)の松井秀喜選手(元巨人・ニューヨークヤンキース)らの7打点でした。
2打席連続満塁ホームランはプロ野球でも見られず、2006年に巨人の二岡選手が史上初となる2打席連続満塁本塁打を記録していました。
4回のランナーを二塁に置いての第3打席は、大阪桐蔭の二番手・高山優希投手と対戦し、2ストライク1ボールからの変化球に見逃し三振となっています。
6回の第4打席はノーアウトでランナーを一塁において、1ボールからの2球目を送りバントでランナーを二塁にすすめました。
8回の第5打席は1アウトでランナーを一塁におき、1ボールからの2球目をとらえ、レフトにヒットしています。
試合は11対0で敦賀気比が決勝進出を決めています。
松本哲幣選手は試合後のインタビューで、「とてもうれしく、気分は最高」と語り、「決勝も自分たちの野球をしたい」と力強いメッセージを残しています。
松本哲幣選手
松本哲幣(まつもとてっぺい)選手は4月から3年生の178cm、75kgで右投右打、背番号17番の外野手で、京都市立京都御池中学校時代は「京都嵐山ボーイズ」に所属していました。
チームメイトの木下翔吾選手は「バッティングの力強さが持ち味です。バットの振りが速く、長打力もあります。ここぞという場面で打ってくれるので、頼もしいです。守備も安定しています。中学1年生から硬式野球のボーイズリーグでチームメートだったので、非常に仲が良いです。自主練習やティーバッティングにも付き合ってくれ、2人で切磋琢磨しています。寮でもよく話をしています。優しい性格で、チームの人気者です。」と紹介しています。
初戦の奈良大付戦でも3安打を記録しており、本塁打が出ていればサイクルヒットとなる活躍を見せていました。
松本哲幣選手の今大会記録
初戦 奈良大付
4打数3安打0打点
- 第1打席(坂口大誠投手)1ストライク1ボールから安打
- 第2打席(坂口大誠投手)0ストライク2ボールから三塁打
- 第3打席(坂口大誠投手)2ストライク3ボールから二塁打
- 第4打席(欅谷智也投手)0ストライク2ボールから三塁ゴロ
準々決勝 静岡
0打数0安打0打点
- 9回表からレフトの守備につき打席はなし
準決勝 大阪桐蔭
4打数3安打8打点2本塁打
- 第1打席(田中誠也投手)2ストライク2ボールから左翼満塁本塁打
- 第2打席(高山優希投手)1ストライク0ボールから左翼満塁本塁打
- 第3打席(高山優希投手)2ストライク1ボールから見逃し三振
- 第4打席(高山優希投手)0ストライク1ボールから犠打
- 第5打席(松井孝太郎投手)0ストライク1ボールから安打
大阪桐蔭対敦賀気比 経過
2014年夏の準決勝の再戦となった注目の一戦。2014年夏は15-9と大阪桐蔭に軍配があがっておりましたが、敦賀気比がリベンジを果たすべく序盤に大量点を奪っています。
大阪桐蔭の左腕エース田中誠也投手(3年)に初回、ヒットと2つの四球で2死満塁とした敦賀気比は6番の松本哲幣選手が2ボール2ストライクからの5球目を左中間スタンドへ運び、史上22人目の満塁本塁打で一挙4点を奪い、史上5校目の夏春連覇を目指す大阪桐蔭の出鼻をくじきます。
さらに、2回にも2点を加え6対0と突き放して、2死満塁で再び松本哲幣選手の第2打席。1ストライクからの2球目をふたたび左翼スタンドまで運び、春夏の大会を通じて史上初となるの2打席連続満塁本塁打となりました。
松本哲幣選手はたった2打席で、これまでの7打点を更新する1試合の最多打点記録8打点となり、大阪桐蔭を大きくリードしています。
5回を終え、10対0と敦賀気比が大量リードのまま中盤を迎えています。敦賀気比のエース平沢大河投手を打ちあぐねている大阪桐蔭はまず1点を返したいところです。
敦賀気比は6回、2打席連続満塁ホームランの松本哲幣選手に送りバントをさせるなど、大量リードに満足せず次の1点を確実に取り、勝利を確実なものにする手堅い作戦で試合を進めています。
8回には松本哲幣選手のヒットもあり、ランナー一・三塁からスクイズを仕掛け、1点を追加し11対0で終盤を迎えています。
敦賀気比のエース平沢大河投手は9回まで安定した投球を見せ、強打の大阪桐蔭打線を9回4安打3四球5奪三振で完封、春夏通じて初の甲子園決勝の舞台へと駒を進みました。
大阪桐蔭も3回以降は失点を最小限に抑え地力を見せましたが、史上5校目となる夏春連覇は達成ならず、夏の連覇をかけて強い大阪桐蔭が返ってくることに期待しましょう。