田中将大のスプリットは「ギャンブル」か、名手は手術を推奨

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突然だが想像してみてほしい。
日本最高クラスの選手が、その決め球ゆえに最高で居続けられないかもしれないことを。

2014年シーズン途中に右肘靭帯部分断裂、そして復帰を果たしたニューヨークヤンキースの田中将大投手について、メジャー通算で136勝を挙げたロン・ダーリング氏が警鐘を鳴らしています。

田中将大投手は、スプリットを決め球として多投しています。そのスプリットの多投がもたらすリスクと、右肘靭帯部分断裂の治療について手術を選択しなかったことについて、「肘に対するギャンブルに出ている」と表現しています。

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田中将大投手の「ギャンブル」

田中将大投手は2014年のメジャーデビューシーズンを順調に滑り出しており、5月にはリーグ月間最優秀投手に選出される活躍をしていました。前半戦は18試合に先発し12勝4敗、防御率2.51、WHIP1.01の成績を残し、オールスター選手間投票でも1位で選出されましたが、7月8日のインディアンス戦後に右肘に痛みを訴え、オールスターも辞退することになってしまいました。

検査の結果、右肘靭帯の部分断裂で全治6週間と診断されるも手術の選択はせず、保存療法を選択しリハビリを続け、シーズン終盤には復帰しました。

負傷の要因として日本時代からの登板過多、メジャーでの中4日の登板間隔など様々な意見が上がる中、田中将大投手の決め球だる「スプリット」を多投していることが大きな要因だとする分析もあります。

「2本の指をできるだけ広げる。そうすると、前腕部の屈筋にリアクションを感じるでしょう。2本の指の間にボールを押さえつけて、思い切り強く投げ込む。負荷が生じるように感じるはずだ」とロン・ダーリング氏は語ります。

田中将大投手のスプリットの割合は25%でMLB3位

田中将大投手の決め球である「スプリット」の割合は25%でMLB3位と、その比率の高さは数字の通りです。この「スプリット」の多投は右肘靭帯部分断裂に関連があるのでしょうか。

まず、メジャーリーグ野球専門データサイト「ファングラフス」によると、田中将大投手の「スプリット」比率はちょうど25%となっています。

先発投手だけで見るとマリナーズの岩隈久志投手の28.4%がMLBトップ、2015年シーズンより広島に復帰する元ヤンキースの黒田博樹投手が27.3%でそれに続き、日本人投手がスプリットを多投している状況が見て取れます。

田中将大投手は、規定投球回数には達していないものの先発全体では3位の割合となっています。

次にリリーフ投手を見てみると、レッドソックスの上原浩治投手は実に46.7%と半数近くを占めており、同じくレッドソックスのエドワード・ムヒカ投手も32.7%と、救援投手の場合はより確実性を求めてかスプリットの比率が高まっています。

とはいえ、救援投手と先発投手を同じように比べるのは適切ではなく、また同じ先発でも田中将大投手以上に岩隈投手、黒田投手はスプリットを多投しているものの靭帯損傷による戦線離脱には至っておらず、因果関係は実際のところはっきりしていません。

靭帯損傷は自然治癒しない

とはいえ、田中将大投手が右肘靭帯部分断裂により戦線離脱、損傷した靱帯を切除し他の正常な腱の一部を移植するという手術「トミー・ジョン手術」も考慮されるという状況だったことには変わりありません。

靭帯の傷は自然治癒しないとされており、靭帯を損傷した選手は「トミー・ジョン手術」による完治を選択することが増えていると言います。

スプリットを武器にメジャー通算で136勝を挙げたロン・ダーリング氏は54歳になった今でもスプリット多投の後遺症で右肘の激痛に苦しむあまり、ゴルフは左利きに転向したといいます。

スプリットという確かな武器を持つ田中将大投手の活躍を見届ける気持ちと、まだまだ長く活躍してもらいたいがゆえに、スプリットを封印してでもと思う気持ちが入り混じります。

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