「立ち合い出産」は出産の長期化、夫婦の亀裂など深刻な影響

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突然だが想像してみてほしい。
大切なのは立ち会うという事実ではないということを。

出産は女性だけの特権ですが、近年では大切なイベントを夫婦で分かち合うため「男性の立ち合い出産」を望む夫婦が増えています。「立ち合い出産」を選択したことで夫婦の絆が深まり、よりこどもへの愛情が増したという男性も多いようですが、すべての夫婦にとって無条件に良いものだとは言い切れません。

「立ち合い出産」を行うことが「愛情の証」や「夫婦の絆」であるというように、絶対的に良いものだという決めつけを行うことは、「立ち合い出産」を選択しなかった、また事情によりできなかった男性の愛が足りない、出産に無関心だと決めつけることにつながりかねません。

そういった風潮が強くなることは、男性も出産に立ち会うことが半ば義務化してしまうことは容易に想像できます。

しかし、多くの動物にとって出産はメスだけのものであり、オスは必要とされていません。出産について素人であり無力である男性が立ち会うことは男性自身にも大きなストレスになり、また陣痛で苦しむ女性は無力な男性に対し苛立ちを感じることもあります。

緊急的に帝王切開や吸引分娩になってしまう場合などいつどんなことがあるかわからず、また血を見ることで具合が悪くなるなど、男性が体調を崩すことも珍しくはありません。

「立ち合い出産」を美化して考えすぎず、出産の前には夫婦でよく話し合いをすることが大切です。

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男性の受けるショックは大きい

女性だけの出産体験を夫婦で共有することは悪いことではないのかもしれません。しかし、実際には男性にとってあまりにも壮絶な光景となる可能性があります。

「水中出産」を提唱したことでも知られるフランスの産科医マイケル・オデント博士は、出産に男性が立ち会うことは自然に反することだと考えています。哺乳類のメスは出産のためにオスを必要としておらず、人間に関しても出産は伝統的に女性たちだけのイベントであり、そこに男性の居場所はありませんでした。

マイケル・オデント博士によると、程度の違いはあるものの出産に立ち会った男性の少なくとも90%に、行動や心理面での不安定さが認められたとしており、妻の普段とはあまりにも異なる姿を目にし、いざ出産のときとなれば激しい出血や生まれてくるこどもの頭が現れる光景は想像よりも衝撃的で、ショックに耐えられない男性もいます。

また、出産に立ち会ったことで「妻を女性として見られなくなった」というのは男性がよく抱く感想です。

男性が立ち会うことで出産が長期化

立ち合い出産を行いショックを受けるのは男性だけではありません。男性は当然ながら出産に関して素人で、その痛みも想像しようがありません。

妻が苦しみ叫ぶ中でも何もできず、生命をかけて新たな生命を生み出そうとしているさなかに無力感を感じることは男性に大きなストレスを与えます。

男性が恐怖感や無力感を感じて分泌するホルモンは興奮作用を持った「アドレナリン」であり、愛情ホルモンともいわれる「オキシトシン」の分泌を阻害してしまいます。

「オキシトシン」は愛情ホルモンとも呼ばれるように、夫婦や恋人、仲間との友好的な関係を築くのに役立ちつと言われ、「オキシトシン」の分泌は女性だけでなく男性にも見られますが、量という観点で見ると出産時の女性が圧倒的です。

出産時には大量の「オキシトシン」が分泌されることで陣痛が促進されます。また、「オキシトシン」には母乳を分泌する働きもあり、大きな影響を持つことが明らかです。

この出産に重要な「オキシトシン」の分泌を阻害するのが、「アドレナリン」を分泌した状態の男性がいることです。男性がいることで女性の気が散り、「オキシトシン」の分泌が促進されないために出産が長期化してしまうことがあるのです。

フランスの病院では「立ち合い出産」が禁止されているところがほとんどだといいます。これは出産が長期化することで、母体に危険が及ぶことを避けることが大きな目的だとされています。

本当の立ち合い出産

女性にとっても出産は不安定な精神状態であり、信頼できる夫が一緒にいることは安心できることでしょう。出産という大事な場面を夫婦で乗り切ることは夫婦の信頼を強め、こどもへの愛情にも繋がり、父親としての自覚や育児参加を積極的に行ってくれるというメリットだと言えるでしょう。

しかしデメリットもあり、「立ち合い出産」が流行っているからと言って安易に選択することは危険です。また、周りの人たちが「立ち合い出産」をしているからと言って必ずしも選択する必要はありません。

夫婦の在り方はそれぞれです。

たとえ分娩室でともに出産を迎えなくても、男性に出産の当事者として妊娠中の妻を助け、できる範囲で妻を助け、生まれてくるこどもを迎える準備をしているかが本当に大切なことです。

その気持ちこそが本当の「立ち合い出産」だと言えるのではないでしょうか。

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